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リモートワークとアウトソース

■リモートワークとアウトソースの相性

 リモートワークを実施している会社において、「リモートワーク出来てている業務をアウトソースできないか?」ということを検討しているというお話をいただきました。リモートワーク出来るのであれば、業務の定型化もしやすいはずで、定型化できるのであれば、アウトソースしても良いのではないかということだと思います。

 「リモートワーク可能=アウトソース可能」という考え方は明らかな誤りです。しかし、リモートワークを機に会社の業務を見直して、アウトソースできる業務はアウトソースしてしまうことで、効率性・生産性を高めるというのは良い考えです。

■アウトソースの進め方

 では、リモートワークしている業務をアウトソースするときには、どのような手順を踏めば良いのでしょうか?

 5つのステップで、アウトソースの仕方を解説していきたいと思います。

①リモートワークの対象業務の洗い出し

 はじめのステップは、現在のリモートワークの対象業務を洗い出すということです。ここでの業務の洗い出しは、詳細なレベルではなくて、ある程度概要レベルで十分です。アウトソース対象とすべきか否かの検討ができるレベルの粒度感です。例えば、「経理業務」では粗すぎますが、「立替経費の請求書の取りまとめ業務」くらいの粒度感で業務を洗い出すイメージです。これくらいの粒度感であれば、アウトソースの対象とするかの検討に適しています。

②アウトソースの検討対象領域の決定

 概要レベルで業務を洗い出した後は、アウトソースの検討対象とする業務を決定します。ここででは、実際にアウトソースするか否かを決定する必要はありません。アウトソースできそうか否かのあたりをつけることが目的です。そのことで、そもそもアウトソースができない業務を検討対象からはずすことができるため、効率的な検討が可能になります。

③対象領域の可視化

 次に行うことは、アウトソース検討対象領域の可視化です。業務を可視化する際には、業務一覧・業務フローを作成することが必要となります。業務一覧・業務フローを作成することで、業務を定型化して、更に効率化するために何をすべきかが明らかになります。

④業務の定型化

 作成した、業務一覧・業務フローに基づいて、業務を標準化・定型化します。そのときには、ECRSの観点で「削除」、「統合」、「置き換え」、「簡素化」できる業務が無いかを検討していきます。アウトソースをするしないに関わらず、業務の生産性を高める大切なプロセスです。

⑤アウトソースの可否判断

 定型化・標準化された業務フロー・業務一覧に基づいて、アウトソースするかを検討してきます。アウトソースの可否判断には、二つの観点があります。一つ目が、アウトソースした方がコストベネフィットを見込めるのかということです。これについては、業務一覧で業務量を算出できるようにしておくことで、アウトソースしたした際の費用対効果を明らかにすることが可能です。

 また、アウトソースすべきか否かを検討する際には、社内にノウハウやスキルが残らなくても問題がないかということを検討しておくことが重要です。つまり、会社にとって競争力の源泉となるようなノウハウやスキルである場合には、アウトソースすることはリスクとなります。更に、情報流出しても問題がないかという点についても併せて考慮が必要です。

 以上がリモートワークしている業務をアウトソースする際の5つのステップとなります。withコロナの状況を逆手にとった会社の業務効率化を目指したアウトソースをする際に参考になれば幸いです。

(第99回: 2020/9/9)