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リモートワークとペーパーレス化

■リモートワークにおけるペーパーレス化

 リモートワークを阻害するものとして、紙による作業があります。紙と印鑑での承認作業などがあると、出社せざる得なくなるため、リモートワークの継続が困難となります。移動時間や作業の連続性を考えると、業務の生産性を低下させる要因になります。リモートワークを効率的に行うためのペーパーレス化はどのように進めるべきかについて考えてみたいと思います。なお、社外との契約業務の電子化は取引先の意向もあるためここでは割愛し、すぐにでも着手可能な社内プロセスに限定しています。

 まず、リモートワークを効率的に進めるためには、何に注力すべきかを決定する必要があります。紙媒体での作業は5つの領域(①連絡、②報告、③作業、④承認、⑤保管)があります。「①連絡」、「②報告」に関しては、メールや電子媒体の資料に置き換えることが比較的に容易です。「③作業」に関しても、個人作業に限定されている場合には、リモートワーク中は個人の裁量で電子媒体などによって作業することも可能です。

 しかし、「④承認」や「⑤保管」に関しては、社内プロセスを変更しない限り、ペーパーレス化することは出来ないのです。そして、特に「④承認」というのは、タイムリーに承認を得なければ、後続の業務が止まってしまいます。そのため、紙とハンコで承認を得る必要がある場合は、リモートワーク中でも会社に出社することが必要となってしまいます。結果として、会社全体の仕事の生産性を低下させることになります。ですから、承認作業を電子化することができれば、リモートワークの生産性を高く保つことが可能となるのです。

■承認作業のペーパーレス化

 では、どのようにすれば、社内の承認にかかる業務をペーパーレス化することができるのでしょうか?

 繰り返しとなりますが、取引先との契約や法的な要件が無い社内の承認作業であることが前提となります。そのうえで、承認作業を電子化するためには、二つの方法が考えられます。一つ目は、メールを使用する方法です。承認者が複数いるような場合に有効です。

・依頼者が承認依頼メールを作成

・承認者は承認の旨の返信してもらい承認

・承認の証跡が必要な場合には、承認依頼メールと承認メールを紙で印刷して保管

 承認自体は、メールベースとなるため、リモートでも承認可能で、後続作業が滞ることがありません。

 社内の承認作業のもう一つの方法は、電子印鑑を活用することです。電子印鑑とは、印影を電子化したものです。ここでは、印影データにタイムスタンプ等の使用者の識別情報が含まれていない、単純な印影の電子データと考えてください。

 例えば、下記のようなプロセスが考えられます。

・依頼者が承認依頼ドキュメントをWord等で作成

・依頼者が共有フォルダに承認依頼用のWord等のファイルを保存

・特定のタイミングで承認者が承認依頼フォルダを確認

・承認者が電子印鑑を張り付けしPDFで保存

・承認者が承認済みフォルダにPDFを格納

 (紙媒体での証跡保管が必要な場合には承認済みファイルを印刷のうえ保管)

 承認すべきドキュメントが比較的に多くあり、且つ一定のタイミングで承認することが必要な場合には、こちらの電子印鑑と共有フォルダで承認を進める方法が有効かもしれません。

 どちらの方法を採用する場合においても、重要なことは、承認者が社内プロセスの電子化と脱ハンコ化を進めること対して必要性を理解していなければなりません。承認の目的を再度見直して、紙で行う必要性が本当にあるのかを検討することが第一歩となります。

 以上がメールでの承認や識別情報が無い電子印鑑での承認の例ととなります。どちらも法的要件がない社内の承認プロセスをペーパーレス化することを想定しています。承認プロセスのペーパーレス化を進める際には、法的な要件が無いかということについて、確認するようにしてください。

(第98回: 2020/9/2)