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リモートワーク・成果主義に適した労働時間制度

■労働時間制度とは

 withコロナにおいて、リモートワークが進むことにより、働き方が変わってきています。これまでの日本企業の典型的な働き方はメンバーシップ型でしたが、職務内容を明確に示すジョブ型雇用を取りいれる会社が出てきています。このような変化は、働き方が成果主義へ移行していく流れを加速させることになるでしょう。

 成果主義を導入していくためには、労働時間制度の選択が重要になってきます。上記の表のように、現行では、5つの制度が考えられます。一つ目は、「変形労働時間制」です。変形労働時間制においては、1年単位、1カ月単位、1週単位といった一定期間の中で、総労働時間の枠を決めて、その枠内で働くというのものです。

 二つ目は、「フレックスタイム制」で、1カ月以内の総労働時間の枠を定めて、更に始業・終業時間を自分で決めて働くというものです。

 三つ目は、「事業場外みなし労働時間制」で、決められた職場以外で働いており、労働時間の算定が困難な場合に、所定の時間を働いたものとみなすというものです。

 四つ目と五つ目は「裁量労働制」です。専門性が高い業務に従事する場合や、企画、立案、調査および分析の業務に従事する場合に、所定の時間を働いたものとみなします。

■労働時間制度の選択

 withコロナにおいて、リモートワークや成果主義を進める場合、現行の労働時間制度のうちどれを選択すべきなのでしょうか?

 従業員側からすると、2のフレックスタイム制では、出社時間や退社時間を自分で選択できるので、電車が混雑している時間帯を避けて通勤できる等のメリットがあります。また、3、4、5においては、時間の融通だけでなく、仕事の進め方も自分で決めることが出来ます。つまり、リモートワークや成果主義の働き方によりフィットしているということになります。

 他方、経営者側からすると、1や2の場合には、業務遂行の指示を細かくしていけますが、3, 4, 5になると業務遂行の指示が細かくできなくなりますので、社員が自律していないと導入は難しいということになります。しかし、3,4,5であれば、残業代の支払いや管理が不要になるというメリットもあります。

 また、平成29年の総務省の調査によると、導入企業の割合は、フレックスタイム制が5.4%、事業場外みなし労働時間制が12.0%、裁量労働制が3.5%となっており、裁量労働制はあまり浸透していません。

 私自身は、コンサルティング会社に10年以上勤務しましたが、役職に関わらず裁量労働制であったと記憶しています。その経験から感じることは、裁量労働制は、手に職をつけようですとか、後に独立しようと考えているような人材に対しては適しているということです。逆に考えると、そのような人材が少ない会社では、裁量労働制への移行は簡単ではないと思われます。

 このような状況において、各社各様の労働時間制度の選択を進めています。7月中旬の日経新聞の記事によると、日本ユニシスは、元々フレックスタイム制を導入しており、更に事業場外みなし労働時間制の導入を進めています。ジョブ型雇用を進めている日立製作所では、職種に応じて、細かく労働時間制度を使い分ける方針を採用しているようです。

 以上のように、withコロナにおいは、リモートワーク、ジョブ型雇用、成果主義への移行といったように、働き方が変わってきています。それに伴って、労働時間制度の選択を各社も手探りで進めている状況です。会社の将来の在り方について腰を据えて考えたうえで、会社に合った労働時間制度を選択していくことが求められていると感じます。

(第94回: 2020/7/29)