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■新型コロナウイルスはマラソン

 ノーベル賞受賞者の山中教授が「新型コロナウイルスの対策はマラソンのようなものだ」とおしゃっています。これは、5月の非常事態宣言後に完全に終息して普段の生活にもどれる可能性が低く、マラソンのように長丁場の取り組みになることを意味しています。

 参考文献の「疫病と世界史」でも、「感染が異常な頻度で発生する時期とその病気が退潮してほとんど消滅したかに思われる時期が交互に繰り返される」という記述があります。特に現在の社会は、人の行き来が世界規模で行われるようになっています。ですから、先進国が外出規制や検査徹底によって、自国の感染者を抑制できたとしても、発展途上国では感染抑制の措置がとれずに感染が広がる可能性があるのです。その場合、その国から他国へと感染が広がってくる可能性があります。つまり、感染の第一波を抑え込んだとしても、第二波、第三波がやってくることを防ぐのは簡単ではないということです。

 そのように考えると、少なくともワクチンの開発ができるまでの期間、1年程度以上は、新型コロナウイルスの影響を受け続けることになると思われます。そうなった場合、人が集まるような状況を極力避けるという事態が続くことになるでしょう。具体的にあげると下記のような事柄が避けられるようになると思います。

・大人数が集まるようなイベントや会議

・混雑する公共交通機関

・人が密集しているオフィス

・人が密集している商業施設

・人が密集している娯楽施設

 つまり、人が密集している都市での生活、仕事、娯楽というものが続けられなくなるのです。このインパクトは計り知れない大きさを持って我々に迫ってきます。人を大勢集めることを前提としている商業施設や娯楽関連の事業、飛行機会社などは非常に厳しい状況になる可能性もあります。

■中長期の対策の3つのポイント

 短期的には、この急場をどのようにしのぎ切るかが大切となってきます。特に、人が集まることを前提としている事業には、政策当局からの保障の活用も含めた対策が求められます。当面は、事業の存続に全身全霊を傾ける時間が続くかと思います。

 しかし、暫くたった後には、新型コロナウイルスへの対策はマラソンであるということを踏まえると、1年以上先の中長期の姿も考える必要が出てくると思います。ここでは、会社の経営おいて、中長期で考えるべき3つのポイントについて考えてみたいと思います。

①インターネットによる販売の推進

 一つ目は、やはり対面で販売するということが今までのように積極的にできない状態が長く続きます。そうなると、やはり、インターネットを活用した販売というものを考えざる得なくなります。この機会に、より多くの会社がインターネットによる販売へ注力するようになると思います。

②リモートワークの推進

 次は、特に人口が密集している都市部でのオフィスワークが行えなくなることを考えて、リモートワークに切り替えていく必要があります。また、オフィスにおいて働く場合にもこれまでのような人が密集した「島」に人を配置するのではなく、余裕を持ったオフィスレイアウトが必要になってきます。

③会社組織の再構築

 インターネット上での販売への移行や、リモートワークが本格的に推進されていくと、会社組織というものを見直すタイミングがやってくると思います。例えば、東京に大人数を収容できる本社を構える必要はなくなるのかもしれません。また、リモートワークが進められると、一つ一つの仕事がはっきりと定義されるようになります。そうでないと、リモートで仕事をすることが出来ないからです。そうなると、外部の人材を活用する機会というもの増え、正社員の比率が変わってくる可能性もあります。

 以上のように、直近は会社の生き残りをかけて様々な手を打っていく必要があります。しかし、マラソンを走りきるために、少し長い視点では、Web化の推進、リモートワークの推進に併せて、会社組織の再構築が必要となってきそうです。

[参考文献]

マクニール. H. W. (2007). 疫病と世界史. 中公文庫.

(第79回: 2020/4/15)