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2021年の仕事・ビジネスの5大ポイント

■2021年にビジネス・仕事において押さえるべきポイント

 2021年がはじまりました。今回は、2021年においてビジネス・仕事において押さえるべき5つのポイントについて考えていきたいと思います。

①コロナの拡大と収束

 現在、日本は第3波の拡大が続いています。感染拡大防止と経済面の施策は常に綱引きの状態となっており、劇的に感染者数が減少するという状況になることはないと思われます。そのため、しばらく感染拡大が続いたあとに、ゆるやかに収束していくということになるのではないでしょうか。

 第3波が収まったあとで、期待されるのはワクチンです。しかし、米国を中心にワクチン接種が始まりますが、これがどの程度効果があるのかは未知数です。一回摂取すれば、高い確率で感染を抑制できるのか、逆に数カ月程度で効果が無くなる可能性も否定はできません。個人的には、ウイルスも変異していく中で効果的なワクチンが開発・製造され、接種が進むという楽観的シナリオは2021年の早いタイミングではあまり期待できないような気がしています。

 つまり、2021年は感染の拡大と感染が抑えられている時期を交互に繰り返していくのだと思います。ですから、飲食業界や旅行業界など人が動くことを前提にしている業界にとっては厳しい時期が続くのではないかと感じてます。

②東京オリンピック

 2021年に延期された東京オリンピックですが、現在のところ開催する予定です。但し、開会式や閉会式が大幅に縮小されるなどの報道がなされています。また、オリンピックを開催するにしても、感染が進んでいるようなヨーロッパ諸国から選手が来日できるのか不透明です。また、第3波の収束時期にもよってきますが、基本的には無観客で開催される種目が多くなるのではないでしょうか。

 このようにオリンピックを開催したとしても、いまいち盛り上がりに欠ける内容となった場合、観客動員や放映による宣伝効果が少なくなりますので、経済への影響は少なからずあるように感じます。また、オリンピックを開催しない場合には更にマイナスの影響となる懸念もあります。

③デジタル化

 コロナ、オリンピックに関してはマイナス面のポイントでしたので、ここからはプラス面のポイントについて考えたいと思います。まず、やはりデジタル化は2021年も積極的に進められて行くことになると思います。2021年の秋にはデジタル庁が設立されることとなっており、行政機関や行政サービスのDXの推進は注目すべきポイントかと思います。また、これから採用が難しい状況は続いていくことになりますので、業務の効率化を目指した企業におけるデジタル化は加速していくことが予想されます。

④働き方

 2020年において一気に広まった働き方はテレワークです。テレワークの実施率については、緊急事態宣言の頃よりは低くなっているようですが、IT業界を中心に一定の割合で浸透しています。テレワークについては、業界や職種の違いはあるにせよ、2021年も活用されていくのではないかと思います。

 それに伴い、都心に構えていた広いオフィスの必要性は少なくなるのかもしれません。オフィスが完全になくなることはしないまでも、オフィスが縮小されたり、もしくは、郊外にサテライトオフィスを用意したりという動きは出てくるのではないのでしょうか。また、テレワークが浸透することによって、産休などによって働くことが出来なかった従業員や主婦などの活用の幅が広がるかもしれません。

⑤トキ消費

 1970~80年代のモノ消費、1990~2000年代のコト消費から現在はトキ消費の時代に入っていると言われています。トキ消費は、2017年に博報堂生活総合研究所によって提唱され、「非再現性」、「参加性」、「貢献性」という3つの要素があるとされています。

    非再現性・・・時間や場所が限定され2度とない体験

    参加性・・・不特定多数の人との感動や体験の分かち合い

    貢献性・・・盛り上がりに貢献しているという実感

 トキ消費の例は、ハロウィンにおいて渋谷に集まりハイタッチや記念撮影をすることや、アイドルに投票する総選挙型のキャンペーン、フェスやライブが挙げられます。コロナ禍においては、テレワークの浸透や年末年始も自宅で過ごす人が多く、人と人とのかかわりが希薄となってきています。このことが、若年層だけでなく高齢層も含めて、トキ消費へと人を駆り立てる要因になるのではないとも言われています。トキ消費の観点から自社のサービスを見直してみると新しい発見があるかもしれません。

 以上のように、2021年はコロナ禍を完全に脱却し、2019年のような状況に戻ることはないと思います。コロナの感染状況に合わせてオリンピックも無観客や場合によっては開催が無くなるかもしれません。このことは経済的にはマイナスです。しかし、マイナスがあれば、必ずプラスの側面があります。それは、行政や企業のデジタル化が進むことや、働き方が変わっていくこととして表れています。また、人と人との関係が希薄にならざる得ないことから、「2度とない体験に参加する」というトキ消費の動きも加速されていくことになると思います。2021年は時代が10年ほど早まりするような時代になるのかもしれません。変化をチャンスととらえて前向きにチャレンジしていきたいものです。

(第116回: 2021/1/6)