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2030年までのAIの動向について(概要)

■AIの動向について
技術の発展について、特にタイミングまでをも正確に予測することは困難です。しかし、技術の発展の大よその方向性を考えるうえで、技術発展のロードマップをみておくことは有益なことだと思います。特に産業革命をも超える農業革命に匹敵するインパクトを人類に与える可能性があるという専門家もいる中でAIの動向は今後の社会環境やビジネス環境がどのように変化していくかの展望を持つためにも有用なのではないでしょか。

下記のイメージ図は、ディープラーニングをベースとしたAIの技術的発展のロードマップを示したものです。繰り返しになりますが、産業化のタイミングはハードウェアや社会制度の整備状況によって、2~3年かそれ以上の誤差が発生するとのことですので、タイミングはあくまでも参考情報に留めておき、AIの発展によりどのように社会が変わっていきそうなのかについて、ざっくりと考えてみたいと思います。

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(引用)総務省「人口知能の未来 -ディープラーニングの先にあるもの」(2016,松尾豊)に基づいて作成

このロードマップの中では、AIの発展は2030年までに6つの段階を経るとなっております。各々の段階について概要を記載します。

①画像認識
・ビッグデータが得られるようになったことと、ディープラーニングによりAIが特徴量を把握できるようになったことにより、画像認識が現実化してきています。
・産業化されそうな分野: 画像による医療診断、広告 等

②マルチモーダルな認識
・マルチ(複数)とモーダル(様式)の名称のとおり、AIが視覚情報だけでなく音声情報等も含めて解析できるようになり、例えば動画の認識ができるようになります。
・産業化されそうな分野: 防犯・監視、セキュリティー、マーケティング 等

③ロボティクス
・この段階では、認識作用に加えて、ロボット技術と合わさり運動面にAIが活用されます。このときにロバスト性という従来よりも環境の変化に融通の利くロボットが生まれることが期待されています。
・産業化されそうな分野: 自動運転、農業の自動化、流通の最適化、製造の効率化 等

④インタラクション
・ロボティクスの進化した段階で、相対する人間の感情面やダイナミックに変化する自然環境などにも対応できるようになり、「優しくさわる」こと等ができるようになることが期待されています。
・産業化されそうな分野: 家事・介護の支援、他社理解、感情労働の代替、試行錯誤の自動化 等

⑤シンボルグラウンディング(言語理解)
・システム内のシンボルと現実世界の意味を結びつけるシンボルグラウンディングをディープラーニングが解決しすることにより、AIによる言語理解が進むことが期待されています。
・産業化されそうな分野: 翻訳、海外向けEC 等

⑥知識獲得
・大量に蓄積されたこれらのAIが理解している言語データに基づいて、AIがより抽象化された知識を獲得することができると予想されています。
・産業化されそうな分野: 教育、秘書、ホワイトカラー支援 等

現時点(2017年)で、比較的容易に産業化できそうなものも、技術面はともかく社会制度面を考えると実現が難しそうなものもあるなという印象を受けますが、時間軸は前後するとしても今後15年くらいのスパンでどのようなことが可能になりそうなのかというイメージはつかめたでしょうか。

これらの6つのカテゴリーについては、もう少し詳細に一つ一つのページで考えてみたいと思います。

[参考資料]
松尾豊. 人口知能の未来 -ディープラーニングの先にあるもの. 総務省. http://www.soumu.go.jp/main_content/000400435.pdf
清水亮. (2016). よくわかる人工知能. KADOKAWA.