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2030年までのAIの動向について(①画像認識)

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(引用)総務省「人口知能の未来 -ディープラーニングの先にあるもの」(2016,松尾豊)に基づいて作成

上記のロードマップにおける6つのカテゴリーの中の①画像認識について「技術面の概要」、「産業化の可能性」、「産業化にあたっての考慮点」について考えてみたいと思います。

■技術面:画像認識の精度向上
AIにランダムに膨大な数の写真を機械学習させると、「人の顔」と「猫の顔」などの識別をAI自らが学習することができるようになってきています。これまでのAIでは、人の顔の特徴と猫の顔の特徴等の「特徴量」を自得することができませんでしたが、ディープラーニングによって、AIが自律的に「特徴量」を把握することができようになってきています。このことは、AI研究の歴史の中で50年来のブレークスルーとなっており、ディープラーニングを起点として認識・運動・言語の分野で顕著な発展が見込まれています。

■産業化の可能性
・認証:顔による認証やログイン
・広告:顔を識別しその人とその人がいる場所に応じた広告の配信
・画像判定: わいせつ画像判定、意匠の類似判定等
・医療画像処理: X線、CT、皮膚、心電図等の医療画像の診断(ほくろの写真を診断し癌か否かの判断等)等

■産業化にあたっての考慮点
画像認識については、2017年時点で既に技術的には実用化可能なレベルにまで達しているといわれています。産業化にあたっての考慮点の一つは、関連する医療画像データや防災画像データのビックデータをどのように用意できるのかという点をクリアする必要があるかと思います。

つまり、AIが解析しようとしている業務や社会活動がデジタル化されている必要があります。また、ある程度の規模でデータがそろっている必要があるため、場合によっては、国が旗を振りながら複数の企業・組織が協力する必要も出てくるかもしれません。逆に言うと、それらがクリアされれば各分野において産業化されるスピードは速まることが期待できそうです。

[参考資料]
松尾豊. 人口知能の未来 -ディープラーニングの先にあるもの. 総務省. http://www.soumu.go.jp/main_content/000400435.pdf
清水亮. (2016). よくわかる人工知能. KADOKAWA.