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ブランド・エクイエティ

■ブランドとは?
ブランドとは、製品やサービス対して顧客が抱いているイメージで、メーカーやサービスプロバイダーがブランド価値の向上にこだわり続けていくことで発展していくものです。

初めの段階では特定のメーカーが製造しているという認知からブランドはスタートします。それが、繰り返し製品を購入・使用することによって、一定の品質を提供してくれる製造業者であるというブランドイメージに変わっていきます。更に、品質を高めていくと製品やサービスの種類や特性によっては、高価なものであるというブランドイメージが醸成されます。また、その製品を使用することや、サービスを受けることによって豊かなライフスタイルや優雅さなどのイメージを誘発することができるようなブランドイメージにまで発展させていくことができるようになります。

このように、製造業者やサービスプロバイダーがこだわり続けることでブランドの意味や価値を成長・発展させていくことができるのです。

■ブランド・エクイティとは?
ブランド・エクイティはデーヴィッド・A・アーカー氏によって、提唱された考え方で、ブランドネーム認知度、ブランド連想、ブランドロイヤイリティ、知覚品質、その他の資産の5つから形成されています。強力なブランドとして、有名なコカ・コーラを例にブランド・エクイエティを考えてみましょう。

ブランドネーム認知度
そのブランドがどれだけの人に認知されているかを指しています。例えば、コカ・コーラは強力なブランドとして有名で、日本国内において知らない人はあまりいないのではないでしょうか。つまり、現時点ではブランド認知度は抜群に高い状態といえます。

ブランド連想
そのブランドから連想されるイメージです。コカ・コーラのブランドから連想されるイメージは、テレビCMやポスター等から醸成されているイメージなのかもしれません。人によって、受け取るイメージは異なると思いますが、活発さ、明るさや爽やかさといったイメージを多くの方が受けるのではないでしょうか。

知覚品質
その製品を使用した、あるいはサービスを受けた顧客だけでなく、未だその製品・サービスに触れていない人も含めて抱いている品質レベルのイメージのことを指します。コカ・コーラの場合には、日本においてもその調合方法は数人の人しか知らされていないというような話もあるほど、味などの品質担保には力を入れていると思われます。

ブランド・ロイヤリティ
ブランドに対するロイヤリティーを指し、ブランド・ロイヤリティが高ければ、リピートや継続購入の比率が高くなります。コカ・コーラであれば、ペプシ・コーラのような競合他社の製品が陳列されている中で如何にしてコカ・コーラの製品を選んでもらうかがブランド・ロイヤリティの高低の一つの基準となります。

その他の資産
その製品やサービスに関わる特許や商標や流通関係等の資産のことを指します。コカ・コーラであれば、商標は当然のこととして、製造から販売に至るまでのサプライチェーン・ネットワークが高いレベルで構築されているといえるかと思います。

ブランド認知度とブランド・ロイヤリティが高くなればなるほど、宣伝・広告をあまりしなくてもその製品・サービスを購入する顧客が多くなりその分マーケティングに費やすコストを低減することが可能となります。例えば、また、知覚品質が競合他社と比較して高ければその分、強気の価格設定を行うことも可能となるかもしれません。このように、ブランド・エクイエティは企業の資産として企業価値に貢献するものであると捉えることができます。

[参考文献]
安田貴志(著). (2007). マーケティングの仕組み. 日本能率協会マネジメント協会.