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価格設定の方法(原価志向型、競争志向型、需要志向型)

■原価志向型、競争志向型、需要志向型とは?
京セラやKDDIの創業者である稲盛和夫氏は「値決めは経営である」と述べています。価格を決めるということは、それ程、難しく重要なものであるということを意味しているのだと思います。ここでは、原価志向型、競争志向型、需要志向型という価格を決定する際に基本となる3つの手法について考えてみたいと思います。

■原価志向型
原価志向型とは、製造に費やした金額である原価に適正と思われる金額を上乗せた価格のこと言います。原価志向型の価格設定は、モノを作れば売れていたメーカーが強かった時代に行われていた価格決定方法で、現在のようにモノが売れない時代においては、あまり通用しない価格決定方法と言えるのかもしれません。

■競争志向型
競争志向型とは、競合企業の価格を参考に同等程度の価格を設定してく方法です。パイオニアではなく、フォロワーとして市場に参入していく際には、有効な価格設定方法といえるかもしれません。

余談ですが、ポーターの基本戦略に沿って考えた場合に、コストリーダーシップ戦略をとるのであれば、競合他社の類似商品よりも低い価格を設定することになります。他方、差別化戦略をとるのであれば、競合他社よりも付加価値の高い製品・サービスを投入し、競合他社よりも高い価格を設定とすることも考えられるでしょう。

■需要志向型
需要志向型は、全く新しい製品・サービスに価格を設定する際に採用される価格設定方法です。新製品・新サービスの場合には、当然競合他社が存在しませんので、競合の価格を参考とすることができません。この場合には、その製品・サービスの需要を調査して、価格を設定していくことになります。調査においては、PSM分析のような手法を使う場合には、下記のような質問項目でアンケートを実施し、結果を集計して価格を割り出していくことになります。

質問①: 「安くはない」と感じはじめる価格はいくらくらいですか?
質問②: 「高すぎる」と感じはじめる価格はいくらくらいですか?
質問③: 「高くはない」と感じはじめる価格はいくらくらいですか?
質問④: 「安すぎる」と感じはじめる価格はいくらくらいですか?

以上のように、価格を決定する際には、基本的な3つの方法として原価志向型、競争志向型、需要志向型が参考になるかもしれません。

[参考文献]
安田貴志(著). (2007). マーケティングの仕組み. 日本能率協会マネジメント協会.