見える化すべき3つの情報
■見える化すべき3つの情報とは
「見える化」とは何かというと、問題解決のために必要となる情報を可視化するという見方をすることもできます。また、「見える化」で扱われる情報はその性質上多岐にわたり、どのような情報が扱われているのかということを把握しておくことも「見える化」を推進するにあたり重要となります。
遠藤功氏の著書の「見える化」で紹介されている「見える化すべき3つの情報」に基づいて、情報のタイプについて考えてみたいと思います。
「見える化」すべき3つの情報のタイプは以下のとおりです。
①信号情報
②基礎情報
③支援情報
各タイプについて、「目的」、「情報内容」、「情報量」、「ツール」の観点で概要をみていきたいと思います。
(引用)「見える化」(2005, 遠藤功)に基づいて作成
■信号情報
<目的>問題発見
異常や問題が発生したこと、もしくは解決したことを知らせるために使用される情報で、事実をタイムリーに伝える即時性が重要になります。「問題の見える化」で必要となる「異常」、「ギャップ」、「シグナル」、「効果」を表す情報のほとんどがこのタイプに分類されるとしています。
<情報内容>信号/データ/現物
情報の内容は、信号、データ、現物と比較的に多岐にわたります。
<情報量>少
必要な情報をピンポイントで共有することになりますので、情報量は比較的に少なくなります。
<ツール>アナログ中心
情報量が少ないことや即時性が求められることから、デジタル情報ではなく、アナログ情報の方が適しているといえそうです。
■基礎情報
<目的>問題発見・解決
問題発見や解決を促すための網羅的・多面的な情報を意味します。
<情報内容>定量・定性情報
定量情報、定性情報の双方が含まれます。
<情報量>多
問題発見に資するための分析を行うため、情報量は多くなります。
<ツール>デジタル中心
情報量の多さからアナログ対応は現実的ではなく、デジタル情報を収集できるITシステムが必要となります。
■支援情報
<目的>問題解決
基礎情報で特定された問題を解決するために必要となる情報です。
<情報内容>定量情報
情報内容は定量情報が中心となります。
<情報量>中
特定の問題へアプローチするため、問題発見を目的とする基礎情報と比較すると情報量は少なくなり、中程度の情報量となります。
<ツール>デジタル・アナログの両方
ツールとしては、情報の量や質により、デジタルか、アナログかが分かれてきます。
■まとめ
以上のように、「見える化」を情報という切り口で分類した場合、「信号情報」、「基礎情報」、「支援情報」の3つに大別されるとしています。
「見える化」を検討する際には、何を目的として、どのようタイプの情報が必要なのかということを明確にすることで、無暗にITシステムを導入するというような無駄を省くことができるのではないでしょうか。
[参考文献]
遠藤功(著), (2005). 見える化. 東洋経済.