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コミュニケーションの阻害要因(フィルター)

■組織における効果的なコミュニケーションの阻害要因
「組織行動のマネジメント(参考文献参照)」において指摘している効果的なコミュニケーションを阻む要因として、以下の6つがあげられております。

・フィルターをかける
・選択的認知
・情報過多
・性別によるコミュニケーション・スタイル
・感情
・言語

この中で、組織において効果的なコミュニケーションを阻む理由となりがちであると感じている「フィルターをかける」ということについて、考えていきたいと思います。

■フィルターをかけるとは?
コミュニケーションにおいて、フィルターをかけるとは、A氏からB氏へ情報を伝達する際に、A氏が情報の取捨選択をして偏った情報をB氏に伝達してしまい、正しく情報が伝わらないことを指します。これにより、経営上の意志決定に誤りが発生することや、意思決定が遅れ、組織にとって大きな損失になる可能性もあります。

■なぜフィルターがかかってしまうのか?
フィルターがかかってしまう原因は大きく3つあると考えます。
①上司と部下の関係性
情報にフィルターがかけられてしまう状態は、上司と部下の関係性により起こります。上記の場合には、A氏が部下でB氏が上司であるはずです。部下は上司に対して、悪い情報をなるべく伝えたくないという気持ちが働きます。これは、悪い情報を伝えることによって、上司であるB氏から何等かの注意を受けることや評価を下げられるというようなことを避けたい気持ちがあるためです。

②組織の階層が多階層であるため
組織の階層が多階層であると、現場担当者から課長、課長から部長、部長から事業本部長、事業本部長から取締役へとコミュニケーションが順次なされていくことになりますから、フィルターがかかる可能性は高まってしまいます。そのため、トップまで伝わる間に情報歪められてしまい、正しく現状を理解できないという悩みをもたれている経営者も多いのではないでしょうか。

③上司と部下の距離感
上記の上司と部下の関係性と似たような内容にはなりますが、そもそも上司と部下が物理的に離れている場合や顔を合わせる頻度が低い場合には、コミュニケーションの頻度が一段と低くなります。この場合においては、部下から上司への情報に対して、取捨選択を行いやすく、フィルターがかけられる可能性がより高くなるのではないでしょうか。

■フィルターを弱めるにはどうすれば良いのか?
コミュニケーションを阻害するフィルターを弱めるには、まずは、「バッドニュースほど早く伝える」ことを奨励し、悪いニュースを伝えたからと言って、評価が下げられるわけではないということを伝えることが必要です。また、組織が多階層になっているような場合には、水戸黄門ではないですが経営者が現場の状態を何らかの形で把握するような動きも必要になってくるかもしれません。また、階層間の上司と部下の間のコミュニケーションを円滑にする仕組みを構築することも必要となってきます。

[参考文献]
スティーブン P. ロビンス (著), 高木 晴夫(訳) (2009). 組織行動のマネジメント. ダイヤモンド社, P247-250.