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価格設定のプロセス

■価格設定のプロセス?
価格設定のプロセスについて、コトラー氏は6つのステップがあるとしています。

【ステップ1】価格設定目的の明確化
・価格設定をする目的が何なのかを明確にします。
・価格設定の目的の例として、利益の最大化、シェアの最大化、品質のリーダーシップなどが考えられます。

【ステップ2】需要の判断
・設定した価格に対して、どの程度需要があるのかを予測する必要があります。
・このときに、価格を上げると需要量がどの程度下がるのか、逆に価格を下げると需要量がどの程度上がるのかという、価格弾力性を考慮することが有効化もしれません。
・例えば、価格弾力性小さい場合(1.0以下の場合)には、値上げをしても需要量の落ち込みは比較的に小さいため、強気な価格設定をしやいということが言えます。

【ステップ3】コストの評価
・売上予測が固まった段階でコストの評価を行い、利益がどの程度期待できるのかを明確にしていきます。
・コストの分析においては、大枠では固定費、変動費を分析していきます。
・例えば、レンタカーなどにおいて、価格を引き下げて需要量を増加させるようなケースにおいては、仮に売上が増加したとても車の維持管理などの変動費が大きく増加することにより利益が下がってしまうケースも考えられますので留意が必要となってきます。

【ステップ4】競合他社のコスト、価格、オファーの分析
・競合他社のコスト・価格と自社のコスト・価格を比較し妥当なコストを検討します。
・このときに競合他社が提供する顧客への価値であるオファーと自社のオファーを比較検討し価格が妥当であるか否かについて検証していくことになります。

【ステップ5】価格設定方法の選択
・価格設定の方法を決定します。
・コトラー氏は、価格設定の方法として以下6つの方法を示しています。
①マークアップ価格設定
製品のコストに利幅(マークアップ)を上乗せする方法
②ターゲットリターン価格設定
目標とするROIを達成するために価格を設定する方法
ターゲットリターン価格 = 単価コスト + 期待収益 × 投資資本 / 販売台数
③知覚価値価格設定
顧客が支払っても良いと思える価格を基準に価格設定する方法
④バリュー価格設定
製品・サービスの価値と比較して低い価格を設定して、顧客のロイヤリティーを獲得する方法
⑤現行レート価格設定
競合他社の価格に基づいて価格を設定していく方法
⑥オークション型価格設定
売り手側ではなく、オークション方式に買い手側が価格を決定していく方法

【ステップ6】最終価格の選択
・上記の1~5のステップを踏まえて、最終的な価格を決定していきます。

[参考文献]
吉川尚宏(著). (2009). 価格戦略 入門. ダイヤモンド社.