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事業連鎖(ビジネス・チェーン)と活用方法

事業連鎖(ビジネス・チェーン)と活用方法

■事業連鎖(ビジネス・チェーン) とは?
事業連鎖(ビジネス・チェーン)とは、価値連鎖(バリュー・チェーン)が企業内の価値の連鎖(例: 研究・開発→製造→マーケティング→営業)を表しているのに対して、1企業を超えた業界全体の事業の連鎖(例: 川上→川中→川下→消費者)を表しています。

 

■事業連鎖(ビジネス・チェーン)の活用方法
事業連鎖が活用されるのは大きく2つのケースです。

 

一つ目が、企業分析の際に、業界での位置づけや外部環境を分析する際に活用されます。例えば、ビジネス・チェーンを把握することによって、川中企業を分析する場合には、その企業の製品を卸している川下企業の動きを分析することが重要であることが見えてきます。

 

もう一つ、事業連鎖を検討することが有用な理由は、企業単体では見えない顧客・消費者に対する新しい価値が、業界全体の事業連鎖を組み替えることによって見えてくる可能性があるためです。

 

事業連鎖を組み替えるときの切り口として、内田和成氏の著書(ゲーム・チェンジャーの競争戦略)の中で提唱されている、@省略、A束ねる、B置き換え、C選択肢の広がり、D追加の5つについて考えてみたいと思います。

 

@省略
[内容]
・事業連鎖の一部をなくします
[例]
・LinkedIn: 従来の転職業界のビジネス・チェーンは、企業の求人→人材紹介企業による応募者紹介→面接→採用というプロセスを経ていました。しかし、LinkedInにおいては、応募者となる一般のビジネスパーソンが経歴をWeb上に直接公開し、人材紹介企業を介さずに企業が直接応募者にアプローチすることを可能にしています。

 

A束ねる
[内容]
・事業連鎖において2つ以上に分かれていた要素を一つにまとめます
[例]
・@cosme: コスメ・美容に関連する幅広い商品のクチコミやサロンの情報を一括して提供することで、サイトへの膨大なアクセスを集め、広告収入等を獲得

 

B置き換え
[内容]
・事業連鎖の中の特定の機能を別の機能に置き換えます
[例]
・メール: ハガキ販売→手紙を書く→ポストに投函→配達→受領というプロセスを、メール作成→送信→受信するというプロセスに置き換えました。

 

C選択肢の広がり
[内容]
・事業連鎖の中でこれまで一つしかなかった要素がいくつにも分かれていきます
[例]
・コミュニケーションの手段: インターネット登場前までは、対面・固定電話・携帯電話・手紙が主なコミュニケーション手段でしたが、インターネット登場後は、メール、SNS、Line等コミュニケーション手段が広がっています。

 

D追加
[内容]
・新しい要素を事業連鎖に加えます
[例]
・プライバシーフィルター: 携帯電話やPCの画面の保護という機能に加えて、のぞき見防止の機能を付加しました。

 

■まとめ
以上のように、事業連鎖(ビジネス・チェーン)は企業単体の価値連鎖(バリュー・チェーン)では把握することができない業界全体における企業の位置づけを明確にし、戦略の打ち手を検討する際の参考とすることができます。

 

更に、自分が属する業界全体を見渡し、@省略、A束ねる、B置き換え、C選択肢の広がり、D追加という観点から事業連鎖を組み替えることで新しい価値を生み出す余地を見出すことができるかもしれません。

 

[参考文献]
内田和成(編著). (2015). ゲーム・チェンジャーの競争戦略. 日本経済新聞出版社.

事業連鎖(ビジネス・チェーン)と活用方法


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