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STP(ポジショニング)

■ポジショニングとは
ターゲットとするセグメントが決定された後は、そのセグメント上で競争優位性を確立するために自社の位置づけを明確にするポジショニングを検討する必要があります。ポジショニングでは、セグメント化された消費者・顧客のニーズにどのように対応するのかということを検討していきます。

この際に有用となるツールがポジショニングマップです。ポジショニングマップは、顧客が製品・サービスに対して感じている価値観基準を軸として自社の立ち位置を明確にするものです。少し抽象的ですので、飲食業界を例に考えてみましょう。下記の図においては、「高級か否か」を横軸に「利用時間」を縦軸にして、ポジショニングマップを作成しています。

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同図において青色の象限については、既にプレーヤーが存在しておりましたが、右上の赤色の高級食材を短時間で提供するポジションには元々目立ったプレーヤーが存在しておりませんでした。そこに目を付けたのが、ブックオフコーポレーション社の創業者である坂本社長でした。「俺のフレンチ」や「俺のイタリアン」等、高級食材を腕の良いシェフが料理し立ち飲み形式で提供するスタイルを打ち出しました。価格を抑えているため薄利ではありますが、短時間利用という特性を生かし回転率を上げることで、高級食材を扱っているにも関わらず薄利多売を可能にして成功しました。

実際に「俺のフレンチ」や「俺のイタリアン」等をどのようにポジショニングしたかは定かではありませんが、ポジショニングマップを作成することで競合他社がいないポジションや優位に立てるポジションを見つけ出すことが可能になることはイメージできたのではないでしょうか。

■ポジショニングの軸の例
ポジショニングマップを作成する際の軸として、先ほどの例では「高級か否か」と「利用時間」という軸を使用しました。他にも下記のような軸が考えられます。

製品やサービスの特性/仕様
製品やサービスの特性や仕様による軸で、対象となる製品・サービスにより千差万別の軸が存在

消費者・顧客が享受する価値
製品・サービスを受ける消費者・顧客の感性に基づいた軸

用途の特性
利用シーンや利用目的を想定した軸

価格と品質
価格と品質を軸としたポジショニングマップでは、高価格×高品質、高価格×低品質、低価格×高品質、低価格×低品質の4象限でポジショニングを検討

競合製品の特性
自社にはなく、競合の製品・サービスが持ち合わせている特性を参考に軸を設定

このように、ポジショニングを検討する際には、業界、自社の状況に応じて、最適な軸によってポジショニングマップを作成し自社の製品・サービスが優位に立てるポジションを検討していくことが有効です。

[参考文献]
安田貴志(著). (2007). マーケティングの仕組み. 日本能率協会マネジメント協会.