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イノベーター理論

■イノベーター理論とは?
イノベーター理論とは、社会学者であるエベレット・M・ロジャース氏が提唱したものです。新商品・新サービス導入の際に、市場(顧客)側をイノベーター、アーリーアダプター、アーリーマジョリティ、レイトマジョリティ、ラガードという5つのタイプに分類して、その特徴を論じています。

①イノベーター(Innovators)
・市場全体の初めの2.5%を占める
・新しい物好き・冒険好きで不確実性や難解さを厭わない
・一般的に財務資源に恵まれている

②アーリーアダプター(Early Adopters)
・市場全体の13.5%を占める
・流行に敏感で、情報収集を怠らず、自ら判断する
・他の消費者への影響力が大きく、新製品・新サービスの伝道者としての役割を担っていく可能性がある

③アーリーマジョリティ(Early Majority)
・市場全体の34.0%を占める
・市場全体の平均よりも少しだけ早くイノベーションを導入する
・伝道者ではないが、周囲の人たちとの交流からイノベーション伝播に影響もある

④レイトマジョリティ(Late Majority)
・市場全体の34.0%を占める
・イノベーションに対して懐疑的
・周囲の人たちからのプレッシャーを受けてからイノベーションを受け入れる
・フォロワーと呼ばれることもある

⑤ラガード(Laggards)
・市場全体の16%を占める
・過去の経験に基づいて意思決定を行うことが多く、イノベーションに対して非常に懐疑的
・確実に失敗がないと確信が得られないとイノベーションを導入しない

エベレット・M・ロジャース氏は全体の16%を占める①イノベーターと②アーリーアダプターに、新商品・新サービスが普及・浸透した段階で、市場が急激に拡大していくとしています。そのため、①イノベーターと②アーリーアダプターに対していかに訴求していくが重要であると提唱しています。

■キャズムとは?
一方で、マーケティングのコンサルタントのジェフリー・A・ムーア氏は、新商品・サービスを売り出していく際には、初期の市場においては①イノベーターと②アーリーアダプターによって市場が形成されていきますが、そこから③アーリーマジョリティに移行するには、キャズムと呼ばれる大きな溝が横たわっていると主張しています。つまり、③アーリーマジョリティに移行するためには、それに向けたマーケティング活動が必要であるとしています。そして、このキャズムを乗り越えることが出来るか否かが新商品・新サービスを大規模に展開していけるかどうかの分水嶺となると主張しています。

このように、新商品・新サービスをローンチしてく際に、現在の市場を形成している層(5つのタイプのどれにあたるのか)と、市場拡大してくためにどのような打ち手があるかを検討する上で、イノベーター理論とキャズム理論は参考となる考え方となるかもしれませ。