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X理論-Y理論

■X理論 – Y理論とは?
マクレガー氏によって、提唱された人間観のモデルです。個人的な感覚論では、性善説と性悪性に近しい考え方だと思います。

X理論:
人間はなまけもので強制されねば働かないし、自分で考えるよりも指示されることを好む(参考文献より抜粋)

Y理論:
人間は条件次第では仕事を満足の源泉とし、自己統制して自ら進んで働き、その責任さえもとる(参考文献より抜粋)

■X理論 – Y理論に基づいた経営管理手法?
X理論-Y理論のどちらかの人間観に立つかによって、経営管理手法は異なってきます。X理論によって立つ場合には、ほっておくと人間は怠けるし、強制されなければ働かないので、アメとムチを使い分けて、働かせるようにする仕組みづくりが必要になります。
他方、Y理論によって立つ場合には、従業員自らの意志で仕事に取り組むことを期待しているもので、従来のアメとムチとは異なった新しい管理手法が必要となってきます。

■X理論 – Y理論どちらが正しいのか?
企業を経営していくに当たり、X理論-Y理論のどちらの観点に立つことが正しいのでしょうか?このことに正解はありませんし、正に経営者の人間観によるところが大きくなってくるのかもしれません。また、どちらかの人間観にだけ偏ってしまうということも良くありません。個人的には、大きく二つのことが言えるのではないかと思っています。

①同一企業内の職能・機能による違い
同一企業内においても、バリューチェーン・職能・機能によって、必要とされる人財のスキル・特徴が変わってきます。バリューチェーンの観点から考えてみましょう。バリューチェーンとは企業の活動を表しており、企画・研究開発・製造・営業等の主活動、経理・財務・人事等の支援活動からなります。例えば、製造におけるパーツの組立作業や経理等のように比較的ルーティン作業が中心になってくる業務は、どちらかというとX理論の人間観が適しているかもしれません。これは、単純なルーティンワークをアウトソースし、アルバイトに任せるような場合を考えてみると明白で、明確な指示に従って作業をしてもらう必要性があるためです。他方、企画や研究開発のようなルーティン作業ではなく創造性が求められる仕事においてはY理論の人間観が適している可能性があります。これは、高度な抽象思考や創造性が求められる仕事においては、強制されることよりも自発的なモチベーションが必要となってくるためです。

②業界ごとの仕事内容による違い
同様に、業界によってもX理論-Y理論どちらの人間観が適正かが分かれていきます。創造性、抽象思考、人間性等のソフトスキルが比較的に強く必要な業界においては、X理論よりもY理論が適しているのかもしれません。例えば、建築デザイナー、コンサルティング、企画会社、アート等のような単純作業の繰り返しではない仕事が当てはまります。

また、かなり抽象的な話になってしまいますが、今後、AIが発達することにより、単純な作業が次々となくなっていき、ビジネス自体を創造することが出来る企画力や戦略思考に秀でた人財を如何に引きつけるかということが重要になっていくと思います。そうなっていきますと、X理論よりもY理論が適切な状況が多くなっていくのかもしれません。

[参考文献]
吉田和夫, 大橋昭一(著). (1996). 基本経営学用語辞典. 同文館出版.