経営者から見た業務自動化の種類
業務自動化というと、RPAのようなITツールを活用して定型業務を自動化するというイメージがあるかもしれません。
しかし、経営者をはじめとした経営幹部の方々から見ると、ITツールを使った業務自動化だけで業務自動化は完結しません。 むしろ、ITツールを使った単純作業の自動化よりも、仕組みを変えることによって経営効率を圧倒的に高めることができる、インパクトのある業務自動化があります。
経営者目線の業務自動化は、5つに分類することができます。
- 収益アップを可能にする施策推進自動化
- 部門横断的な課題対応力を上げる課題対応自動化
- 生産性を高める業務改善自動化
- アウトソースによって経営効率を高める仕組自動化
- ITツールを活用した定型業務自動化
① 収益アップを可能にする施策推進自動化
施策推進自動化とは、経営幹部が事細かに指示を出さなくても施策が推進していくようにすることです。戦略的な施策というものは、元来、本業ではない非定型的な業務であるため、経営幹部がいくら指示しても施策が思うように進まないということが本当に良く起こります。施策推進自動化によって、この思うように進まない施策が経営幹部から見ると自動的に進捗するようにすることが可能となります。
② 部門横断的な課題対応力を上げる課題対応自動化
部門横断的な課題とは、ガバナンス強化のような経理部と営業部等の複数部門が協働で取り組まないといけない課題です。このような課題も旗振り役が誰もいなくなってしまうことが多く課題への対応が進まないということが良く起こります。課題対応自動化はこの部門横断的な課題への対応力を圧倒的に高めることができます。
③ 生産性を高める業務改善自動化
生産性を高めるために、業務の可視化や業務標準化を進めようとすることは良くありますが、実施しようとするとなかなか思うように進まないことが多いものです。業務改善自動化はこの業務改善活動を、継続的、自動的に進捗させる仕組みのことです。
④ アウトソースによって経営効率を高める仕組自動化
業務改善の延長線上にあるものとして、業務自体を社外にアウトソースしてしまうとう考え方もあります。自社で抱えている必要のない業務をアウトソースすることは、究極の業務自動化と考えることができます。
⑤ ITツール活用による定型業務自動化
会社の中には、誰がやっても変わらない、同じ作業の繰り返しとなるような業務がたくさん存在します。例えば、データ入力作業、データ収集作業、メール配信作業のようなものが代表です。これらの単純作業をITツールで自動化しましょうというのが定型業務自動化です。
以上の5つが、経営者から見た業務自動の分類となります。現在、ITツールを使った業務自動化が注目されていますが、ITツールを使った定型業務自動化は、5つの自動化の中の一つにすぎません。そして、本当に経営効率を圧倒的に高めるために、業務自動化を実現しようとするときには、これらの5つの業務自動化をどのような手順・順序で行うのかをしっかりと検討しておく必要があるのです。
当社セミナーでは、経営者が手を打つべき5つの業務自動化を実現するするための手法を公開しています。
(第15回: 2019/01/23)