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■IT化が進まない理由

「会社に新しいシステムを導入したんだけと、あまり使われていないんだよ」というようなお話を聞くことがあります。IT活用やシステム導入はこれからの企業において、絶対に避けては通れない事柄です。

これからは、IT活用に秀でた会社が生き残っていく言っても過言ではないと思います。それほど重要なシステム導入になぜ失敗が多いのかということを考えることは、システム導入を成功させるために非常に重要なことです。

システム導入における失敗の原因は大きく3つに集約されます。

①システムありきになっている

これは、ITツール、AIを導入すれば、会社が劇的に変わると思っている場合に起こりがちなことです。

ITツールやAIはあくまでも道具ですので、道具を使って、誰が、いつ、何をしたいのかということをしっかりと決めておくことが必要です。

そうしないと、すごい高性能のドリルを買ってみたものの、そういえば、うちの会社は地面ほるような仕事してなかったよなというような、冷静に考えればあり得ないようなことをしてしまいます。

笑い話のように聞こえるかもしれませんが、ITツールのように、手に取って確かめることができないものだと不思議にやってしまいがちなことではあるのです。

②システム導入に社員が反対している

新しいシステムの導入に現場の社員が反対をしているようなケースでは、システム導入をしてみたものの、殆ど使われることなく、宝の持ち腐れのようなものになってしまいます。

人は、今現在行っている方法を変えられることに対して、ほとんど無意識的に抵抗するという習性があります。ですから、既存のシステムややり方を変えられたくないと思っているような場合には、新しいシステムがほとんど使われないで、ほっておかれるというようなことが起こってしまうのです。

③要件定義がしっかりとなされていない

システム導入の失敗例のほとんどがこの要件定義がしっかりと行われていないことによって起こります。

要件定義とは、システムを作る際に、システムを使うユーザーがこのようなシステムを作ってほしいという要望を出すのですが、その要望をドキュメント化したものです。

この要件定義が、しっかりと出来ていないと出来上がってくるシステムもユーザーにとって、殆ど使えないものになってしまうのです。

要件定義が不十分になってしまう原因は、要件定義の重要性を認識していないということやスケジュールがタイトで十分に要件定義に時間をさけないということがあげられます。

■システム導入を成功させるために必要なこと

では、よくある失敗を踏まえて、システム導入を成功させるために何を押さて置くべきかということを考えてみましょう。

①IT、AIといったシステムはあくまでの道具だと認識すること

IT、AIといったシステムはあくまでも道具にすぎません。何のために、誰が、いつ、どのように使うのか、それによってどのような効果が期待できるかということをしっかりと明確化する必要があります。

そして、費用対効果を鑑みて、投資すべきか否かの判断をする必要があります。

②システム導入をユーザーとなる社員に納得させること

システムを使用するユーザーにしっかり、システム導入の理由やもたらされる効果を説明して、システム導入に協力することを納得させる必要があります。

特に、AIやブロックチェーン技術を使って、大幅に仕事を削減できるというような場合には、仕事がなくなってしまう人材も出てきますので、人材の配置換えも含めて念を入れた説明が必要になることは言うまでもありません。

③要件定義をしっかりと行うこと

ユーザー側の要望をまとめる要件定義のフェーズをスケジュールに織り込んで、要件定義をしっかりと行うことが重要です。要件定義が正確にできていれば、システム導入が失敗する確率はグンと下がります。

以上のような点に留意することで、システム導入に失敗する確率が格段に少なくなります。

これからの会社は、このようなことを意識してシステム導入を検討・主導できる人材を会社の中に育てておくことが重要となってきます。

(第14回: 2019/01/16)