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■リモートワークが進むと起こる変化

 2020年3月現在で、コロナウイルスの感染症の広がりはしばらく続きそうな状況となってきました。そのような中、ご支援先の会社でも、「今週は、月曜、水曜、金曜はリモートワークです」というような具合に、リモートワークが定着しつつあるように感じます。現在の状況が数カ月~1年程度続くと、リモートワークが常態化するようになるのではないでしょうか。

 リモートワークが進むとどのような変化が起こり得るのでしょうか?端的に言うと、長時間労働型から成果重視型へと変わっていくことになるでしょう。従来型の日本の会社は、従業員を会社に拘束することで、対面で部下に対して指示を出していくことを前提としていました。そのため、多少曖昧な指示でも作業をさせて、中間の成果を確認しながら軌道修正させていくというスタイルで仕事をさせることができました。なぜなら、長時間、社員に会社にいてもらうことが出来るためです。

 また、従来型の会社では、一人一人の社員に対して、優劣をつける必要もありませんでした。なぜならば、指示した仕事を片付けてくれるならば、優秀な人材が短時間で作業を終わらせても、優秀ではない人材が長時間かけて仕事を終わらせても、違いはないからです。すると、優秀な人材もバリバリ仕事をするインセンティブが働きませんから、結果として、長時間労働型の世界になっていくわけです。

 しかし、リモートワークが進むと、長時間労働型から成果重視型への否応なくシフトされていきます。なぜならば、顔を合わせて仕事をすることが出来なくなりますので、曖昧な指示で仕事を進めるということが難しくなり、マネジメント層は、部下に対して求める成果を明確に指示しなくては、効率的に仕事を進めることが出来なるからです。更に、成果の定義だけでなく、期限も明確に定める必要が出てきます。顔を合わせているわけでないので、「明日の何時までに、資料を作成し提出する」ということを決めないと、上司が資料を確認することが困難になります。

 このように、リモートワークを進めると、社員に求める仕事の内容と期限が明確になります。すると、社員の方では、成果物を短時間で効率的に作成するようになります。なぜならば、成果物をしっかりと提示すれば、空き時間を自分のために活用することも可能になるからです。ですから、優秀な人材は、高い品質の成果を短時間で、効率的に提示するようになるでしょう。他方、優秀でない人材は、今までのように手と足取り指示ができなくなりますから、成果を上げることが難しくなります。結果として、成果重視型の会社へと変貌していくこととなります。

■会社が準備しておくべきこと

 以上のように、リモートワークが進むことで、会社は、長時間労働型から、成果重視型へと変わっていきます。このような状況に会社が対応するためには、2つの事を考慮する必要があります。一つは、社員に対する指示を明確にしていくことです。米国の会社はジョブ・ディスクリプションといって、仕事の内容を明示して、その仕事に適した人材を雇用するという仕組みになっています。日本の会社も一部はこのように、仕事内容が明確に定義されるように変化していかざる得なくなります。

 更に、人事評価の方法を変更する必要が出てきます。長時間労働型の会社では、社員に優劣をつける必要はありませんでした、しかし、成果重視型の会社になると、成果に応じて報酬を決めていく必要性が高まっていきます。なぜなら、各社員において、成果を上げているか否かが明白になってしまうからです。

 現状のようにリモートワークを推進していくと、長時間労働型から成果重視型へと変わらざる得ない会社も出てくると思います。仕事内容の明示化と人事評価制度についても併せて検討しはじめる時期なのかもしれません。

(第75回: 2020/3/18)