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第31回: 施策実行とクイックヒット

■施策実行の大切さと難しさ

あるサービス業の会社において、業務の標準化をしていたときの話です。施策を洗い出し、施策を実行に移そうとする際に、「これだけの数の施策をどうやって実行していけばいいのでしょうか?」と半分嘆きにも近い声があがりました。

業務を標準化する際には、「現状の業務」を可視化して、「あるべき業務」を定義します。そして、「現状の業務」と「あるべき業務」の差分を埋めるための施策を洗い出します。

この施策を実行していくことにより、「現状の業務」を「あるべき業務」へと近づけていくことが実際に可能となります。

「あるべき業務」を定義したとしても、施策を実行しなければ絵に描いた餅に終わってしまいます。ですから、施策の実行は、施策の策定と同じくらい、人によっては実行の方が大切だと言う場合もあるくらい、とても重要なものなのです。

それくらい大切な施策を実行しようとしているタイミングで、冒頭の「どうやって実行していけばいいのでしょうか?」という言葉が出てしまったといいうことです。

この会社は、M & Aを行なっており、買収された側の拠点は本社からの意向に快く応じてくれない雰囲気があるそうです。

そうであれば、たくさんの施策を実行していかなければならない時に、冒頭の嘆きにも近い言葉が出るのも分からないでもありません。

■クイックヒットの大切さ

このような状況でどのように施策を前に進めれば良いのでしょうか?

答えは、「クイックヒットを打ちましょう。」ということです。

クイックヒットを打つとは、短期的な成果があがる比較的に簡単な施策を実行し、実際に成果を上げることです。

短期的な成果をあげることで二つのメリットがあります。一つは、まず実行をすることで、組織に勢いがついて、次の施策を実行するときのハードルが下がるということです。

これは、日常の行動でも感じることができます。大掃除をしようという時に、はじめは気が重いのですが、一つ掃除を始めると気分が乗ってきて、次から次へとすごいエネルギーで作業を進めることができるようになります。

これは、作業興奮と呼ばれています。一つ作業をする事で、気分が乗ってきて、次の作業をすることのハードルが下がっていくのです。

会社の改革も同じように、一つの施策を実行することで、勢いがついて、その次の施策を実行することが容易になっていくのです。

そして、クイックヒットを打つことのもう一つのメリットは、短期的な成果があげることによって、関係者や周りの見る目が変わり、協力を得やすくなるということです。

この会社のように、取り組みをあまり快く思っていない組織がある場合には、なおさらこの短期的な成果をあげることが重要になります。

なぜなら、今まで反対していた人たちに、自分たちにこんなに良い効果があったのかと実感してもらうことができるからです。こんなに良い効果があるならば、他の施策にも前向きに取り組もうという雰囲気を作ることができます。

この前向きな雰囲気をつくることが、経営改革を前に進めていくために、とても大切なのです。

以上のように、施策を実行していく際には、クイックヒットを打つことで、関係者のモチベーションを高めることにつながりますし、反対をしていた人たちの雰囲気も変えることが可能になります。

ぜひ、経営変革のための施策を実行することに困難さを感じているときには、思い切ってクイックヒットを打つようにしてみてください。

(2019/5/15)