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■抵抗勢力がいる中でのプロジェクト推進

 システム導入を担当することになったという知り合いから相談をされました。なんでも「システム導入に対する抵抗勢力がいて、どう進めるべきか困っています・・・」とのことです。この抵抗勢力がいるということは、システム導入をはじめとした、組織変革を進めるときにほぼ100%遭遇する状況です。

 組織には、「慣性の法則」が働いており、何かを変えようとすると、必ず抵抗が発生します。抵抗の度合いや、顕在化しているか否かという違いはあるにせよ、100%発生すると言って過言ではありません。これは、我々が従来のやり方を変えられるということに対して、本能的に抵抗する習性があるためです。

 では、抵抗を抑制しつつ変革を進めるためには何が必要となるでしょうか?

成果に直結するプロジェクトマネジメント

 これまで、何十社もの組織変革の現場に立ち会ってきた経験から、抵抗勢力を抑えつつ、プロジェクトを進めるためには、共通しているポイントというものがあります。今回はこの3つのポイントをご紹介したいと思います。

①期待値コントロール

 プロジェクトマネジメントで最も大切なことは、期待値管理することです。期待値管理とは、平たく言うと、「出来ない約束はしない」ということです。経営の状況が思わしくない、抵抗勢力が非常に強いような状況など、苦しい立場にあるときにやってしまいがちなことが、関係者の期待値を上げてしまうということなのです。期待値を上げすぎたプロジェクトというのは、関係者の期待に沿うことが出来ないので、確実に失敗します。

 逆に期待値を適切にコントロールすることが出来れば、プロジェクトの成功の確率が飛躍的に高まります。高すぎるハードルは誰も飛ぶことが出来ないのです。適切な高さのハードルを設定してこそ、取り組みを着実に進めることが出来るのです。

 プロジェクトを進めるときにまずやるべきことは、あくせくと手足を動かすことではありません。いかにして適切に期待値をコントロールするかということです。根拠のない妄想で走り始めることほど、怖いものはありません。しっかりと、現実的な落としどころを見出して、関係者と合意形成をする、これが出来れば、プロジェクトは半分成功したようなものです。

②バックワード

 次に大切なことは、バックワードで考えるということです。プロジェクトには、いつまでに何を達成するのかというゴールがあります。バックワードで考えるというのは、このゴールを達成するために必要な手順を考えるということです。

 例えば、1年後にシステムを導入させるというゴールがあった場合、トレーニング期間を考えると、いつまでにシステムの受け入れが終わってなくてはならないのか、そのためにはいつまでに開発が完了していなくてはならないのか・・・といったことをゴールから逆算することが大切です。

③ドキュメント化

 そして、プロジェクトを進めるためには、異なる部門や組織のメンバーと合意形成を図っていくことが何よりも大切です。その時に、極めて大切なことはドキュメント化するということです。プロジェクトを進めると、会話ベースで合意したつもりでも、お互いに言っていること、思っていることが違っていたということが起こりがちです。

 それを避けるために、重要なことというのは、ドキュメント化することです。複雑な事というのは、ドキュメント化してはじめて、お互いが同じ土俵で議論ができるようなります。簡単な事であれば、メールで合意するということでもいいですし、議事メモを書くということでも良いでしょう。また、更に複雑な論点の場合には、図示しながら進めるということも必要となってきます。

 以上の3つ観点 -期待値コントロール・バックワーク・ドキュメント化- を踏まえてプロジェクトを進めると、抵抗を抑制しつつ、プロジェクトの成果を得やすくなります。会社の取り組みを進める際の参考にしてみてください。

(第92回: 2020/7/15)