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第60回: アウトソースを成功させるポイント

■アウトソースが失敗する理由

 バックオフィス業務の効率化を進めているクライアントから、「この仕事は将来的にはアウトソースしたいと思いますのですが、どうすれば良いでしょうか」という相談を受けました。しかし、今回のケースは高い確率で、アウトソースは失敗するとお答えしました。それは、アウトソースしたときにどのような状態になるか結果が予測できていないからです。

 状況を少し説明します。この会社、サービス提供のために新しい物流手法を取り入れています。その物流業務の一部に従業員のかなりの作業量が割かれています。更に、問題なのは、この物流手法が本格的に導入されるのはまだ先であるため、将来的には、更に作業量が増加していくということです。このような状況において、この業務をアウトソースしようとしているということです。

 では、なぜこのアウトソースが失敗するかというと、対象となる業務量がどの程度増えるのか、そして業務量が増えたときにどのように対処すべきなのかという、対策が立てられていないからです。つまり、アウトソースしたときにどのような状態になるかという結果が予測できていないということです。このような状態で業務をアウトソースするというのは、そもそも困難です。また、仮にアウトソースできたとしても、対象業務がブラックボックス化してしまう懸念があります。そうなると、アウトソース費用が高騰し、費用対効果が得られないという結果になりがちです。

■アウトソースを成功させるポイント

 では、どのようにすれば、この会社はアウトソースを成功させることができるのでしょうか?

 答えは、アウトソースしたときにどのような姿になるか、結果を予測できるようにすることです。結果が予測できるからこそ、費用対効果が明らかとなり、アウトソースすべきか否かの投資判断も正確になるのです。

 そして、アウトソース後の姿を成果に予測する方法は、二つの考え方に集約されます。一つは、対象となる業務を自分たちで完璧に遂行できるようにしてから後に、その業務をアウトソースすることです。この場合、自分たちがやっている同じ業務を外部委託することになりますので、正確に業務の内容を伝えることが可能です。また、アウトソース後の姿を予測することは難しくありません。

 しかし、自社で遂行できない、もしくはアウトソースした方が効率的だからアウトソースするケースもあります。非常にシンプルな例として、翻訳作業があげられます。翻訳作業を委託ということは、自社では遂行できない、もしくは時間がかかりすぎる業務をアウトソースしていると捉えることができます。

 翻訳作業のようにシンプルな例を除くと、そもそも自社で遂行していない業務をアウトソースする場合、アウトソース後の姿を正確に予測することは困難となります。このようなケースでは、ある程度前提を置きながら、アウトソース後の姿をシミュレーションすることが求められます。典型的なシミュレーションの方法は3つのステップを経ます。

 ①業務フローを整理する
求められる業務を工程ごとに切り分けで、各工程を誰がいつ実施するのかを明らかにします。

 ②各工程の業務量を算出する
業務フローでき切り分けた各工程の業務量を試算します。業務量の算出に当たっては、類似業務の数字を参考にするなどして前提を置いて検討をしていくことが求められます。

 ③アウトソースする対象業務全体の業務量を算出する
最後に、アウトソース対象の工程の業務量を足し合わせて、全体の業務量を算出します。

以上が、アウトソース後の姿を予測するステップとなります。ここまでシミュレーションができて、費用対効果が明らかになり、投資の意思決定が正確にできるようになります。つまり、委託業者に丸投げをせずに、自分たちが結果をコントロールすることが極めて重要なのです。

(2019/12/4)