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第42回: 日本語なのに通訳が必要な理由

■職場で通訳が必要な状況とは?

 日本人同士の職場にも関わらず、クライアントから「通訳をしてください」と言われることがあります。これは、お互いにコミュニケーションギャップが発生しており、適切に社内の意思疎通が出来ていない状態に陥ってしまっているためです。

 コミュニケーションギャップは、お互いにスキルや経験が未熟で、伝える能力や聞く能力が明らかに欠如しているために起こる場合があります。これは、学校を卒業したての新卒社員と言葉が通じないケースが当てはまります。また、人間関係が希薄な組織文化が問題であるケースもあります。このような、当事者間の能力や組織文化に問題がある場合には、教育を徹底することや組織文化を変えるというような打ち手を検討することになります。

 しかし、当事者の能力や組織文化に問題が無くても、意思疎通がうまくいかないケースがあります。このような状況になった時に、打ち手が見いだせないので、「通訳をしてください」という言葉になって表れるのだと思います。

 能力や文化に問題がないにもかかわらず、コミュニケーションが上手くいかないのは、同じ情報に対する当事者間の解釈が異なるためであることが多いです。当事者間の解釈に相違が生じるケースは、経験やスキルといった「バックグランドが異なる」か「役職が異なる」ケースの二通り考えられます。

 「バックグランドが異なる」とは、当事者間の専門性が異なる場合が多いです。例えば、システムエンジニアと営業担当者が、顧客管理システムを構築する際にコミュケーションが上手くいかないことがあります。システムエンジニアは顧客管理システムの仕様を決定するためIT要件を端的に伝えてほしいと思っているにも関わらず、営業担当者が適切に伝達できていないというようなケースです。これは、専門性が異なるため、お互いが必要としている情報が一致していないために起こります。

 もう一つの「役職が異なる」とは、社長や役員が言っていることが、従業員になかなか伝わらないケースです。これは、視点が異なるために起こるコミュニケーションギャップです。社長や役員は、会社全体、あるいはプロジェクト全体を推進させるために必要な打ち手を常に考えていますが、従業員は目の前のタスクをこなすことに追われています。ですから、社長や役員が指示を出しても、従業員になかなか意図が伝わりづらくなるということが起こってしますのです。

コミュニケーションを促進させる方法

 このように、背景が異なる人同士はコミュニケーションギャップを起こしやすくなります。このような状況でコミュニケーションを促進させる方法の一つは、「Why」、「What」、「How」を明らかにすることです。

 「Why」は、取り組みを行おうとする背景を明らかにすることです。何故、コミュニケーションを図ろうとしているのかを明らかにすることによって、お互いが同じ土俵に立つことが可能になります。

 「What」は、何をしようとして、何を伝えようとしているのかという目的を明らかにすることです。

「How」は、どのようするのかという具体的な方法を伝えることです。特に相手に行動を促したいときに重要です。

 コミュニケーションが上手くいかないなと感じるときには、背景(Why)を話さずに、唐突に目的(What)を話してしまっていることや、背景、目的を伝えずに、いきなり方法(How)の話をしてしまっていることが多いです。

 コミュニケーションに行き詰った時には、「Why」、「What」、「How」に立ち返ってみると解決の糸口が見つかるかもしれません。

(2019/7/31)