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会社の業務改善の第一歩

■業務改善の必要性

 会社の業務を改善したいという要望が増えています。先日も「業務を改善したのですがどのように進めれば良いでしょうか?」という相談を受けました。コロナ禍で会社としても簡単に採用を進めることができません。業績がどのように推移するか不透明な状況において、社員を増やしにくいからです。そのようなことから、今いる社員数を変えないで、業務を効率的に運用できるようにしたいというニーズが増えています。同時にこのような状況において、何から手を打てば良いのか分からないという状況に陥っている会社もあるのではないでしょうか。

■会社の業務改善の第一歩

 では、どのように業務改善を進めれば良いのでしょうか?

会社の業務改善の第一歩となるのは、改善対象を洗い出して見える化し、具体的な打ち手を検討することです。そのためには、3つのポイントがあります。

一つ目のポイントは、改善対象となる施策を洗い出すことです。施策を漠然と洗い出そうとすると洗い出しが難しい場合があります。このような時には、ECRS(イクルス)の活用をお勧めします。ECRSは、Erase(削除)、Combine(統合)、Re-arrange(再整理)、Simplify(簡素化)の4つの観点を指しています。Erase(削除)の観点では、ムダな業務が無いかということを検討します。Combine(統合)の観点では、複数の部署や担当者で行っていることを一つにまとめることができないかということを検討します。Re-arrange(再整理)は、業務や担当者を入れ替えることを指しています。例えば、業務負荷が小さい部署から業務負荷が大きい部署へ人を移動することなどが考えられます。Simplify(簡素化)は業務を簡素化して効率性を増すことです。複雑な業務をシンプルにすることやIT化も含まれます。

二つ目のポイントは、洗い出している施策をリスト化することが重要です。ドキュメント化されていないと、比較検討することもできませんし、記憶にとどめることすら困難となります。ですから、リスト化するということが必要となります。リスト化するときに、ECRSなどの観点でカテゴライズしていくことで、その後の検討もしやすくなります。

三つ目のポイントは、優先順位をつけることです。優先順位をつけるためには、施策の効果を明らかにする必要があります。効果は定量面と定性面で明らかにしていきます。定量面の効果を求めるときには、対象となる業務の業務量を洗い出すことがファーストステップとなります。そのうえで、施策を実行することによる削減効果率を考慮すれば、定量的な削減効果を算出することができます。定性的な削減効果は、施策を実行することによって、ビジネスや業務にどのような影響を及ぼすのかということです。この定量面、定性面を考量して施策の優先順位を決めていくことなります。なお、優先順位を決めるときには、定量面の効果が優先されやすくなりますので、定量的な効果を算出することが重要となる場合が多いです。

以上の3つのポイントが、会社の業務改善を進めるための第一歩となります。つまり、業務改善のための施策を洗い出して、リスト化して、優先順位をつけるということです。ここまでをしっかりと行うことできれば、「何時」までに「何」に着手するかも検討しやすくなります。そうすれば、具体的なアクションプランにまで落とし込みできるようになりますので、業務改善が現実のものとなる可能性が高まります。会社の業務改善に迫られている場合には、参考としていただけばと思います。また、進めるうえで疑問に感じる部分などありましたら、お気軽にお問い合わせください。

(第125回: 2021/3/10)