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第33回:経営変革でバランスをとるためのポイント

■AIを活用した経営変革での問題点

AIのようなテクノロジーに対する考え方として、「AIに自分の仕事を奪われてしまう。」という意見、記事を見かけることがあります。

経営変革をするときには、必ず抵抗が発生します。この抵抗は、テクノロジーを活用した変革だけでなく、自分たちの仕事の仕方が変わる場合に必ず生じるものです。

AI等のテクノロジーを活用した変革には、通常の抵抗感に加えて、自分たちの仕事が無くなってしまうのではないかという、漠然とした不安感を従業員にもたらします。

ですから、テクノロジーを活用した経営変革を進めることで、会社を無用な混乱に陥れるのではないかとう不安を経営者が持たれるものも無理のないことです。

しかし、令和の時代は、生産年齢人口(15歳~65歳)が、これから40年で約6割にまで減少していくのです。

この事実を見据えたときに、少ない従業員数で、いかにして効率的にアウトプットを高めていくのかを真剣に考える必要があります。

そして、テクノロジーを活用して、人がやっていた仕事をテクノロジーに置き換えていく発想は必ず必要になります。つまり、テクノロジーを活用した経営変革を進めることということは、令和時代の経営において、避けて通ることが出来ないテーマであると言えます。

しかし、AI等のテクノロジーを活用した経営変革は、従業員に不安を呼び起こし、会社として前向きに取り組ませていくことに難しさがあります。

■混乱抑制のためのバランスをとるための3つのポイント

それでは、どのようにすれば、テクノロジーを活用した変革の際に、従業員の不安感を抑制し、変革推進に向けてバランスをとることが可能となるのでしょうか?

それには、3つのポイントを押さえておくことが必要です。

①目的の明確化

一つ目は、何のためにAI等のテクノロジーを活用するのかという目的をはっきりさせ、繰り返し伝えることです。

AIを導入するための目的とは、従業員が行っていた単純作業をAIに置き換えて、AIに決して置き換えることが出来ない「創造性」や「コミュニケーション」が必要な仕事に、人的リソースを集め、競争力を高めていくことに集約されます。

そして、従業員を削減するためにテクノロジーを活用している訳ではないということを伝えることが必要です。

このように、目的を打ち出しておくことが、無用な不安感を打ち消すためには重要です。

②AIは道具

次に、シンギュラリティーという考え方があるように、AIが人間の知能を超えるときが来ると言われています。

確かに、囲碁や将棋等のルールが定められた特殊なゲームや画像認識等の限られた領域では、人間の能力を超えるAIも生まれてきています。

しかし、どんなに賢くなっても、高い抽象性や論理的な飛躍が必要となるような創造性が必要な仕事や高度なコミュニケーションが必要な仕事をAIに置き換えることは不可能です。

そうなのです。AIはどこまで行っても、道具にすぎません。ですから、仕事を奪われるという思考から、積極的にどんどん活用していくという思考に従業員を導いていくことが必要です。

③働き方は変わる

しかし、AI等のテクノロジーを活用することによって、仕事の内容や働き方は変わっていくことになります。

仕事は無くなくなりませんが、働き方は変わる可能性がある点は繰り返し、従業員に説明をして、納得していってもらうことが必要です。

以上のように、テクノロジーを活用することに対する、①目的を明確にして、②テクノロジーを道具として使いこなせばいいんだというように思考を変えていくことで従業員の不安感を少なくすることが必要です。

その上で、③働き方が変わってくことを納得させることが出来れば、テクノロジーを活用した変革に対する抵抗感が抑制され、ダイナミックな変革に向けて現実に舵を切っていくことが可能となります。

(2019/5/29)