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第43回: 経営の自動化

■経営の自動化とは

 先日、社員が数十人の日本各地にサービス展開している会社の社長とお話をしていたところ、「自分が東京本社に行かなくなったら、部下が自分たちで仕事を回してくれるようになったんですよ」という話になりました。なんでも、地方の営業所の立ち上げに忙しくて東京の本社に出社する機会が少なくなり、部下に仕事を任せていたら、意外と社長抜きでも仕事が回っていることに気が付いたそうです。そこから、意識的に東京本社の仕事については、口出ししないで部下に回せたところ、社長がいなくても仕事が回るようになったとのことです。

 一方で、別の会社では、バックオフィス業務を本社に集約化させるプロジェクトを走らせています。このプロジェクトにおいては、逆にメンバーに事細かに指示を出さないとプロジェクトが進行しない状況が続いているとのことです。

 前者の会社は、社長がいなくても組織が運営されるようになりつつある状態で、経営を自動化する仕組みが整いつつある会社といえます。他方、後者の会社のプロジェクト運営の状態は、自動化されている状態からかけ離れています。このように、経営が自動化されている状態とは、社長や責任者がいなくても組織が回る状態になっているということです。

 では、経営や組織が自動化されている状態とそうでない状態というように、会社やプロジェクトによって自動化度合いの違いが生じるのは、何故でしょうか?

■経営を自動化するために必要なこと

 経営、または組織運営が自動化できているか否かを分けるのは、仕事が定型化されているのか、定型化されていないかの違いです。つまり、社長がいなくても仕事が回るようになったのは、仕事が定型化されていたからです。別の言い方をすると、「社長がいなくても仕事が回るように仕組みを作り上げていたから、部下だけで仕事が回せるようになった」ということです。

 間違えてはいけないことは、「社長が口を出さなくなったから、部下が自立をして仕事が回るようになった」と考えることです。仕組みを作らずに、仕事を任せてもそれはただの丸投げで、経営が自動化されるはずもありません。逆に、社内が混乱し、売上や利益も落ちて、修復に時間がかかる状態なってしまったということになりかねません。

 では、どうすれば、仕事を定型化して、経営を自動化できるようになるのでしょうか?

 仕事を定型化するには、三つのポイントがあります。それは、目標設定、スケジュール設定、マニュアル化です。

 目標設定とは、会社における仕事の目的や目標を設定しておくことです。例えば、営業部ごとの年次目標、月次目標、週次目標というように、目指すべき数字と何をすれば目標達成できるのかがしっかりと設定されていることが必要となります。そして、その数字や内容を部門長や社員が把握して、社長に言われなくてもコミットしている状態であれば、目標設定が正しくされている状態ということが出来ます。

 スケジュール設定は、目標数字を達成するための期限が共有されていることが前提となります。その上で、目標を達成するために何をいつまでに実施するべきかということを明らかにしておくことが必要です。

 マニュアル化は、何をやるかということが明らかになっており、業務フローやマニュアルといった形で文書化されている状態です。つまり、社長や部門責任者が細かく指示を出さなくても従業員が自立して仕事ができている状態です。

 以上のように、経営を自動化するためには、自動化したいという仕事を見極めて、仕事を定型化していくことが大切です。そして、仕事を定型化するときには、目標設定、スケジュール設定、マニュアル化をしていくことが必要となります。

(2019/8/7)