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第29回: AI導入を成功させる仕組み

■AI導入の流れ

先日、AI導入専門のエンジニアの派遣やコンサルティングを行っている会社の方から「AIの導入がなかなか進まないのは、会社の体制に問題があるケースが多いんですよ。」というお話を伺いました。

AI導入のプロセスをざっくりと表現すると下記の6つのステップになります。

①AI要件定義(対象とする領域と、AIの活用方法の明確化)

②PoC(Proof of Conceptの略で試作品を作成し、本格的な開発に進むかの検証・意思決定)

③AI設計(AIアプリケーション設計、AI基盤設計)

④AI構築(AI基盤構築、AI精度検証)

⑤テスト(受入テスト、システムテスト、総合テスト)

⑥運用(AI精度監視・評価、AI再学習、AIモデル管理)

通常のウォーターフォール型のシステム導入とAI導入に、本質的な違いはありません。但し、各々のプロセスの深さや必要とされるスキルが異なっているということです。

当然、必要とされるプログラム言語が異なるので、エンジニアにとって必要とされるスキルは異なります。しかし、システムが異なれば、使用する言語がことなるのは当然のことなので、AIに特有の事ではありません。

他方、AIにおいて、特に必要とされるスキルとして重要なものは、「①AI要件定義」や「⑥運用」です。

通常のシステム導入というのは、ある程度プロダクトが出来上がっており、それをほぼそのまま使うということで、業務の標準化、業務の効率性の向上、コスト低減を図ります。しかし、AI導入は、何ができるのかを理解し、どの領域に適用するのか、どのように実現するかを検討するグランドデザインを描く力が強く求められます。つまり、「①AI要件定義」というのは、通常のシステム導入よりも深いレベルでグランドデザインを描くことが必要となります。

更に、AIのモデルが出来上がってからも精度の検証や再学習、モデルの管理が必要となります。そのため、「⑥運用」においても、通常のシステム導入よりも主体的にAIの運用に関わり、予算感を把握しながら、外部のパートナーを活用するということが必要とされます。

■体制構築のために

では、中小企業や中堅企業がAIを導入するための体制をつくるためには、どのようなことに留意する必要があるのでしょうか?

まず、「①AI要件定義」を実施するにあたっては、AIを活用して会社をどのように変革していきたいのかというビジョンを持った人が必要となります。つまり、社長か、もしくは社長に対して納得感のある説明をできる人材が、AIで何をできるのかを理解し、ビジョンを描くことが絶対に必要となります。

そして、次にAI導入のビジョンに基づいて、「②PoC」から「⑥運用」までの全体のプロセスを設計し、マネジメントできる機能(人材)が必要です。当然、予算感を把握し、どのプロセスを外部に委託するべきかというような判断ができることも必要です。更に、その機能(人材)が、運用段階において、主体的にAIのモデルを管理してく必要もあります。

このように、中小企業や中堅企業においては、AI導入に対するビジョンを持った社長、もしくは社長に納得感のある説明をできる人材とAI導入のプロセス全体とその後の運用を主体的に担える機能(人材)が必要となるのです。

弊社は後者の機能として、自動化推進室を会社の中にインストールすることを推奨しています。なぜなら、自動化推進室が、AI導入のプロセス全体を設計し、主導することが出来ますし、導入後も初めのAI導入の知見を活かして他の領域にもAIを活用していくことが出来るからです。また、AI導入プロセスの管理を外部に任せてしまうと、AIの運用の段階になっても、費用が外部に流れていきますし、社内に知見がたまりませんので、いつまでたっても主体的な取り組みができません。

弊社のセミナーでは、自動化推進室を組織にインストールするための方法論についてもお話しておりますので、同じような問題意識を持たれている場合にはぜひご参加ください。

(2019/5/1)