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第12回: 組織は、なぜ局所最適化するのか?

■局所最適とは?

2019年最初のコラムは、組織は放っておくと、なぜ局所最適化してしまうのかということについて、考えてみたいと思います。

局所最適とは、組織の中の一部分だけを見ると良く機能しているのですが、組織全体で見るとその一部分が非効性を生み出す要因となってしまっている状態です。

具体的な事例で考えてみますと、M&Aした子会社において導入されている営業管理のシステムは、その子会社のオペレーションには適しており、子会社の従業員はこのシステムを継続して使用することを希望していたとします。

しかし、グループ会社全体でみると、データが統一されていないことや、そもそも管理しているデータ異なるといった理由からグループ全体で適切な営業管理が行えない状態になっていたとします。このような状態は、子会社において局所最適化されており、グループ全体の全体最適化が阻害されている例と言えます。

また、他の例では、チームが複数組成されており、各チームは一見良く機能しているように見える場合があります。しかし、チームごとのオペレーションがバラバラで、あるチームで欠員が出た場合に、他のチームからヘルプにも行けないような状態になってしまっているとしたら、これは各チームにおいて局所最適化してしまっている状態です。

また、このようなチームの集まりの場合、組織全体で業務効率を高めるような改善活動をすることも難しくなってしまいます。

更に、部、課、チームという単位だけでなく、個人のレベルでも局所最適は起こります。つまり、ある人が特定業務についてとても詳しくなってしまい、他の人がその人の業務を代わりに行うことができないような状態です。

このような状態は、業務が属人化しているとも言い換えることができますが、その人がいないと、業務が滞ってしまいますし、他の人に業務を引き継ぐことも手間がかかってしまします。

このように、局所最適は、子会社、部、課、チーム、個人といったあらゆるレイヤーで起こるものなのです。そして、組織は放っておくと必ず、個人個人が仕事を適切に行うとすればするほど、局所最適化してしまうものだと肝に銘じておいてください。

人体に置き換えて考えてみますと、体全体が一つの会社で、細胞一つ一つが従業員だと捉えることができるかもしれません。一つ一つの細胞は適切に働いているだけなのです。しかし、がん細胞のように、無限に増殖するように誤った方向に働きだしてしまうと、体全体の調和を乱し、病気になってしまいます。がん細胞にしてみると、誤った方向性ではあるのですが、一生懸命に増殖しているだけで、それが体全体にとっては最悪の状態へと導いているわけです。

■局所最適を防ぐには?

では、がん細胞の増殖をストップさせるには、どのようにしたら良いでしょうか?

人体では、実は常にがん細胞が生まれているのですが、それが致命的に増殖しすぎる前に、キラーT細胞という細胞ががん細胞を除去しているそうです。

では、組織の局所最適化を防ぐには、どうすれば良いのでしょうか?

これは、人体におけるキラーT細胞のように、組織全体を見渡すことのできる、社長や経営幹部が組織を局所最適化させないように、マネジメントしていく必要があるのです。

具体的には、下記のような取り組みをタイムリーに進めていく必要があります。

・子会社を説得して、グループ全体で使用しているシステムを子会社に導入する。

・チームが局所最適化しないように、人事ローテーションを徹底する。

・業務が属人化しないように、業務の標準化、マニュアル化を進める。

そして、このような取り組みを推進するためには、弊社の業務自動化の仕組みを構築する際の自動化推進室のような部門横断組織を組成することが有効です。

2019年は、組織の局所最適を脱却するような仕組みを構築することを目指してみてはいかがでしょうか。

(2019/1/2)