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■業務自動化で意識すべきバランスとは?

業務自動化のような組織変革を行うときに、意識すべきバランスというものについて考えてみたいと思います。このバランスを崩すと、組織変革は進まずに、逆に優秀な社員の離反につながってしまうことさえもあります。

バランスを考えるためにまずは、なぜ組織変革が失敗するのかその原因について考えてみましょう。

■組織変革が失敗する原因

組織変革が失敗する原因には大きく二つのものがあります。

  • 取り組み内容にそもそも問題がある場合
  • 取り組み方に問題がある場合

前者の場合には、取り組む対象が誤っているので、組織改革が上手くいくわけがありません。業務自動化といって、良く吟味せずに取り組んでしまいますと、このような事態になることも十分にありえます。

後者は、取り組み内容は間違っていないのですが、実現の方法に問題がある場合です。そして、実現の方法の中で、特に問題なるのがヒトの問題です。

良く言われることですが、何か新しいことをしようとすると必ず、抵抗勢力が表れます。これは、物理法則と同様に、組織にも「慣性の法則」が働いているためです。

「慣性の法則」とは、抵抗や摩擦が無い場所で、モノを動かすと、モノは同じ速度、方向に動き続けるというものです。

組織も同じように、一度仕事のやり方が決まってしまうと、固定化してしまうものなのです。そして、仕事のやり方を変えようとするときに大きな抵抗が生じます。

■業務自動化を進めるためバランスとは?

業務自動化のような組織改革もそれまでの仕事の仕方を大きく変えるものですので、それに対して大きな抵抗が発生するのは自然の事と言えます。

では、どうすれば、抵抗を最小化できるのでしょうか?

それが、バランス感覚を持つことなのです。確かに、業務自動化を推し進めることができると、大幅な生産性の向上につながる領域は広がってきています。

しかし、だからと言って、極端に業務自動化に振れてしまうと、組織からの抵抗が大きくなってしまいます。自分たちの仕事のやり方が大きく変わるのではないか、自分たちの仕事がなくなるのではないかという観念が生じてしまうからです。

ですから、業務自動化を進めるときには、どこをゴールとして、そのゴールにたどり着くために、どのようなステップを踏むべきかということを、高まる生産性とヒトのモチベーションが絶妙のバランスとなるように設定する必要があるのです。

このバランス感覚が無いと、業務自動化のような組織改革が成功することはまずありえないことです。

業務自動化のような組織改革に着手するときには、ぜひ、バランス感覚をもって、推進していただければと思います。

(第16回: 2019/01/30)