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組織というものは、ほっておくと部門ごとに部分最適化されて、たこツボ化していってしまいます。そして、会社全体の視点から最適化されている状態である全体最適から遠ざかって行ってしまいます。

全体最適化されている状態とは、会社全体が目指している目標に向かって、各部門が活動をして、各部門の目標に向かって個人が活動している状態です。

つまり、個々人の活動が部門の利益を最大化して、各部門の活動が会社全体の利益を最大化している状態とも言えます。

このことは、簡単なことのように思いますが、実現させることがとても難しいことでもあります。100名を超えるような会社の凡そ8割くらいは、全体最適の状態から遠ざかっていると感じているのではないでしょうか?

組織がほっておくと、部分最適化してしまう原因は、なぜなのでしょうか?
これは、ヒトは経験している範囲でしか物事の判断をすることができないからです。担当者は、怠けているつもりはなく、一生懸命仕事をして与えられた目標を達成しようとしています。

例えば、サービス業において、人件費率が高まっているため、人件費率の低下を試みる場合など、目標を与えられた担当者は、人件費率を削減しようとして、店舗あたりの人数を限界まで絞っていきます。

しかし、むやみやたらに人件費率を絞ってしまうと、結果として、みごと人件費率は低下したのですが、繁忙期にさしかかったときにスタッフが足りなくなって、本来得られたはずの利益を逃してしまうという事態に陥ってしまいます。

このような状況を避けるためには、会社のマネジメント層が繁忙期の利益獲得を最大化する範囲で人件費率をコントロールするというかじ取りが必要になります。

また、このケースのように一部門に閉じた例であればまだハンドリングがしやすいのですが、営業部において人件費率を抑えながら、人事部が適切なタイミングでスタッフを採用していくことが求められるようなケースでは各部の足並みを揃えることが難しくなります。

営業部と人事部で軋轢が発生してしまうような事態も起こりえます。

このようなケースにおいて、業務自動化の仕組みを構築することがとても有効に働きます。

業務自動化の仕組みは、各部門にまたがるような重要な課題に対応するメカニズムを構築します。メカニズムの中には担当者、役割、対応方針、スケジュール感、リスク管理等も含まれます。

そして、各部の利害を調整できるような、どの部にも属していない自動化推進室を立ち上げます。この自動化推進室が会社全体を見渡せる位置から課題の推進を後押しする役目を担います。

この自動化推進室が部門における重要課題や複数部門をまたがるような全社課題に対する対応力を圧倒的に高め、会社を全体最適の方向へと向かわせることとなります。

貴社におかれましても、全体最適に向けた取り組みに課題を感じられていたら、業務自動化の仕組みの検討をしてみてはいかがでしょうか。

(第5回:  2018/11/14)