クラウドソーシング(Crowdsourcing) ①(概要)
■クラウドソーシングとは何か?
クラウドソーシングはIT技術の発展にともって、現れた新しいアウトソーシングの形態です。これまでのアウトソーシングは、コールセンター業務やバックオフィス業務などでアウトソース先が企業でした。しかし、クラウドソーシングの場合には、ソーシング会社のプラットフォームに登録をしている「個人」がアウトソース先となります。
プログラミング、デザイン、翻訳等の業務をクラウドソーシングを通じで、個人にアウトソースすることが可能になっています。
クラウドソーシングのメリットは、以下の3点です。
・世界中の技術者や専門家に仕事を依頼することができ、手軽にそのようなエキスパートのスキル・ナレッジを活用することができる点。
・インターネットを通じて、プラットフォームに登録している個人にアプローチできるので、タイムリーな問題解決が期待できる点。
・特定の業務について、人を雇用する必要が無いため、人権費を抑制することが可能な点。
一方、クラウドソーシングのデメリットは以下3点です。
・仕事を依頼する必要があるため、程度の差はあれ、自社の情報が流出する点。
・業務を外部委託するため、自社にスキル・ナレッジの蓄積ができない点。
・繁忙期で依頼タスクが多い場合などに依頼タスクに対して対応できるエキスパートが見つからないリスクがある点。
■なぜ、クラウドソーシングが生まれたのか?
クラウドソーシングが生まれた背景はIT技術の発展によるものです。メールや動画によるコミュニケーションツールが発展したことにより、遠隔でも作業依頼ができるようになったことがクラウドソーシング生まれた最も大きな要因だと思います。それに加えて、地方在住者や子育ての空き時間に対応したい主婦等、技術や専門能力はあるけれども企業に勤めることができないため、生かすことができなかった個人と仕事を依頼する側との需要と供給がマッチしたことにより、マーケットが形成されました。
■クラウドソーシングを活用する方法は?
クラウドソーシングを活用する際には、以下のような観点を考慮する必要があります。
・コア業務ではないこと
当然のことではありますが、従来のアウトソースと同様に、他社との差別化の源泉であるコア業務は自社に留めておき、クラウドソーシングに依頼する作業は、非コア業務を依頼する必要があります。新規サービスの名称、アプリケーションの開発、HPに掲載する記事の執筆等の作業レベルの仕事を依頼するようなイメージです。社員を雇うことによる人件費よりもクラウドソーシングへ利用料を支払ったうえでサービス活用することにより、経済的メリットがあるかを見極める必要があります。
・タスクの定義
依頼するタスクを明確に定義する必要があります。依頼されたが側が作業をし易いように、また、自社で実施する必要があるタスクとの相互関係やスケジュール感を考慮して、クラウドソーシングへ依頼するタスクを設計する必要があります。