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プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)

■プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントとは?
プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)は、米国のコンサルティング会社のボストンコンサルティング・グループ(BCG)が提唱したフレームワークです。市場の成長性と市場シェアを2軸にした4象限のマトリクスとなっております。

①スター
市場の成長性も市場シェアも高い事業
②問題児
市場の成長性は高いが、市場シェアが低い事業
③金のなる木
市場の成長性は低いが、市場シェアが高い事業
④負け犬
市場の成長性も市場シェアも低い事業

主に大企業向けの事業分析のツールで、市場シェアが高いけれども市場の低い「③金のなる木」で収益を上げると同時に、その収益を「①スター」や「②問題児」に投資すべきといったことや「④負け犬」にプロットされた事業はリターンが見込めないことから撤退するべきといったような経営判断をする際に使用されてきました。多角化された大企業の事業を再構築する際に有用なフレームワークとして使われてきました。反面、「②問題児」や「④負け犬」として撤退してしまった事業が後にイノベーションにより収益が上がるようになった際にその恩恵にあずかることができない等のリスクもあります。

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■各々の事業の施策例
PPMで定義された各々の象限のビジネスについて、どのような打ち手が有り得るのか例は以下のようになります。

①スター(成長のための投資)
・マーケットのシェア拡大をはかる
・短期的には中程度の利益を受け入れる
・営業/宣伝を積極的に行う
・販売地域を拡大する
・製品ラインナップを拡張する
・製品/サービスを差別化する

②問題児(機会の発掘)
・将来予測は厳しめに行う
・投資する製品/サービスを厳選する
・強みに集中し、弱みを克服する

③金のなる木(儲けの適正化)
・成功している製品/サービスのポジションを維持する
・鍵となるセグメントのシェア維持のために製品/サービスを差別化する
・成功していない製品/サービスは撤退する
・競合からの積極的な値引き圧力が無い限り、価格を維持する

④負け犬(資金化)
・撤退の判断をする場合には、注意深く事業を監視/分析して行うようにする
・事業存続の場合には、低成長を受け入れる
・事業存続の場合には、生産性を向上させる
・事業存続の場合には、コスト削減をする
・事業存続の場合には、比較的容易に成長が見込めるセグメントを見極める

以上のようにPPMは事業を複数抱える大企業向けに事業を再構築する際に使用されたフレームワークとなっており、一つの事業に集中する必要があるような中小企業においては考慮の余地はあまりないかもしれません。但し、参入しようとする市場の成長性と既存プレーヤーが存在する場合にはそのシェアがどの程度あるのか、そして自分たちはどの程度のシェアを取ろうとしているのかということは、中小企業であっても常に意識する必要があるところかと思います。