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「バリュー・チェーン」と「ビジネス・チェーン」と「サプライ・チェーン」

■「バリュー・チェーン」と「ビジネス・チェーン」と「サプライ・チェーン」とは?
「バリュー・チェーン」と「ビジネス・チェーン」と「サプライ・チェーン」について、似たような考え方・呼称であり、混乱しがちな考え方であるため、各々特徴を比較しながら概要を見ていきたいと思います。

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まず、①バリュー・チェーンはマイケル・ポーター氏によって提唱された考え方で、一つの企業の事業のプロセスを表したものです。

①バリュー・チェーンは日本語では、価値連鎖と訳され、「材料購買→製造→営業→サービス」というように価値を生み出す単位が連なっていることを意味しています。

②ビジネス・チェーンも同じように価値を生み出す単位が連鎖していることを表しており、日本語では事業連鎖と訳されています。

①バリュー・チェーンと②ビジネス・チェーンの相違点は、①バリュー・チェーンが一企業のプロセスを表しているのに対して、ビジネス・チェーンは業界全体のプロセスを表している点です。

下図の上のフローが業界全体の②ビジネス・チェーンの例を表しており、①バリュー・チェーンは②ビジネス・チェーンの一つのプロセスである川下企業のプロセスであることを表しています。

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更に、②ビジネス・チェーンと③サプライ・チェーンも考え方に共通している部分があります。

それは、両方とも単一企業のプロセスではなく、業界全体の企業間に跨るプロセスを表しているという点です。

しかし、③サプライ・チェーンは、受発注と納品という物の流れに特化したプロセスを表しているのに対して、②ビジネス・チェーンは物の流れに特化しているわけではなく、サービスや情報の流れまでを含めて業界全体のプロセスを表しています。

以上のように、似たような考え方である3つの事業のプロセスを比較することで、各々の特徴が捉えやすくなるのではないでしょうか。

余談ではありますが、いずれの考え方においても基本となってくることは、ビジネスのプロセスを抽象化していることです。

また、①バリュー・チェーンよりも②ビジネス・チェーンの方がより抽象度が高くなっていることが分かります。

抽象度を高くすると、汎用性が高くなるために、②ビジネス・チェーンは業界全体のプロセスを表すことができるようになっているのだということもいえます。

分析・検討の目的に応じて、どの程度の抽象度が必要になるかということを踏まえて、プロセスを可視化していくことで、有用な示唆が得られるようになると思います。

具体的にどのような示唆が得られるのかということについては、上記の表や各々のページを参照いただければと思います。