4C
■顧客視点の4Cとは?
マーケティングにおける4Cとは、4Pに対応するフレームワークと言われています。4Pが製品・サービスの提供者(企業)側の視点なのに対して、4Cは顧客側の視点に立ったフレームワークです。別の言い方をすると、4Pは製品ありきのプロダクトアウト的な発想なのに対して、4Cは顧客のニーズを起点としたマーケットイン的な発想と言えるのかもしれません。下記のリストは、左側が4P、右側が4Cの切り口となっています。
Product(製品) ⇔ 顧客価値(Customer Value)
Price(価格) ⇔ 顧客コスト(Customer Cost)
Place(チャネル) ⇔ 利便性(Convenience)
Promotion(プロモーション) ⇔ コミュニケーション(Communication)
顧客価値、顧客コスト、利便性、コミュニケーションという4Cの切り口について、一つ一つ考えていきたいと思います。
■顧客価値(Customer Value)
顧客が製品・サービスから得ることが出来る価値を意味しています。製品・サービスを提供する側の視点ではなく、あくまでもそれらを受ける(顧客)側がどのような価値を見出しているのかを検討することが必要となります。現在、モノが売れなくなってきている時代において、製品・サービス単体の価値だけではなく、提供の仕方やアフターサービス等も含めて顧客が受ける価値をどのように向上させていくかを考慮することの必要性が増してきているのかもしれません。
■顧客コスト(Customer Cost)
価格は顧客が負担するコストの一部でしかなく、購入コストや時間コストも費やしています。そのため、製品・サービスの価格単体で捉えるのではなく、製品・サービスを購入・利用する顧客が支払うコスト全般を考慮する必要性があります。
■利便性・流通(Convenience / Channel)
製品・サービスを購入・利用する際の利便性を意味しています。利便性の例としてインターネットを介したe-commerceについて考えてみます。なぜ、e-commerceがリアル店舗等の既存の流通チャネルから顧客を奪い、急速に発展しているのかというと、顧客から見て利便性が高かったからだと言えます。インターネットを利用すれば、価格を簡単に比較して安価な製品を選択可能ですし、自宅に居ながら製品を購入することも可能です。
■コミュニケーション(Communication)
従来の販促のように売り込むというよりもむしろ顧客が納得できるコミュニケーション手段を意味します。メディアを活用したマス広告等の企業側に都合がよい手法でなく、顧客が本当に必要だと感じる納得感を醸成していくことが必要となってきます。
このように、4Pと比較して、4Cは顧客側の視点に立った視点となっており、ここからモノが売れにくい時代にどのように顧客にマーケティングしていくべきかという示唆が得られるように思います。