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AIの歴史

■AIについて
AIとはArtificial Intelligenceの略で、日本語では人工知能を意味します。近年、AIの発達が我々の生活・働き方やビジネスに大きく影響を及ぼす可能性がある事が取りざたされています。AIとは何か、AIが生まれた背景、どのようにビジネス・経営に影響を及ぼしているのか、今後どのように影響を及ぼしていくのかということについて考えていきたいと思います。まずは、ここではAIの歴史について見ていきたいと思います。

■AIの歴史
以下のAIの歴史については、総務省が提供している情報に基づいています。AIは1950年代から研究が続けられてきました。その中で、ブームと冬の時代を繰り返してきました。このブームを作った要因と衰退した要因を中心にAIの歴史の流れを把握したいと思います。

【第一次人工知能ブーム: 考えるのが早い人工知能】
[時期]
1950年代後半〜1960年代
[ブームの要因]
探索や推論ができるようになり、特定の問題に対して解を提示できるようになったこと
(例:数学の定理証明、チェスの試合 等)
[衰退の要因]
単純な問題を解くことはできても、複数の要因が絡み合った複雑な問題を解くという要請に答えることができなかったため

【第二次人工知能ブーム:ものしりな人工知能】
[時期]
1980年代
[ブームの要因]
コンピュータに知識を与えることでAIが実用可能な水準に達して、エキスパートシステムが多く生まれたこと。結果として、ある特定の分野では専門化と同等レベルの振る舞いができるシステムが生まれた
(例: 医療診断、有機化合物の特定 等)
[衰退の要因]
世の中にある全ての情報をコンピュータが理解できるように、多様なケースを想定してプログラムを記述することが困難であったため、特定の領域の情報に限定する必要がある等の限界があったため

【第三次人工知能ブーム: データから学習する人工知能】
[時期]
2000年代から現在まで
[ブームの要因]
ビッグデータと呼ばれるような大量データが扱えるようになったことで、AIが知識を獲得する「機械学習」が実用化されたこと、及び知識を定義する要素(特徴量)をAI自らが学習できるディープラーニングが登場したこと。
なお、特徴量とは、例えば画像認識において、人間が犬の顔や猫の顔を区別するときに「どこに注目」するかということを意味します。ディープラーニングが優れている点は、膨大なデータを機械学習することで、人間が注目すると想定される特徴量をAIが自ら見抜くことが出来る点です。そのため、人間が特徴量を設定することなく、機械学習によりAIが写真に写っているモノが猫であると認識できるようになります。

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(引用)総務省「ICTの進化が雇用と働き方に及ぼす影響に関する調査研究」(2016)に基づいて作成

■過去2回の人工知能衰退の原因
総務省の情報通信白書でも指摘されている通り、過去2回のAIのブームが衰退した原因は、技術的な限界というよりも、社会のAIに対する期待値が技術水準を上回っていたことにあるようです。今回の機械学習とディープラーニングが引き起こしている第三次人工知能ブームについても、社会の期待値に沿うように実用化がどこまで進むかが社会へのインパクトがどの程度まで広がるかにとって重要となってきます。

[参考資料]
(2016). 平成28年版 情報通信白. 総務省. http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h28/pdf/n4200000.pdf
松尾豊. 人口知能の未来 -ディープラーニングの先にあるもの. 総務省. http://www.soumu.go.jp/main_content/000400435.pdf
(2016). ICTの進化が雇用と働き方に及ぼす影響に関する調査研究. 総務省. http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/linkdata/h28_03_houkoku.pdf