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バランスト・スコアカード(位置づけ)

■バランスト・スコアカードの位置づけ
キャプラン氏とノートン氏が提唱するバランスト・スコアカードの位置づけについて考えてみたいと思います。まず、戦略とはマネジメント・プロセスの中で独立してあるべきものではないと述べられています。これは、考えてみれば当たり前のことなのですが、単に戦略を立案しただけでは、「絵に描いた餅」になってしまい、適切に実行されることはありません。バランスト・スコアカードは戦略を「絵に描いた餅」にしないためのフレームワークだと考えています。

■ミッションから成果創出までの段階
下記イメージは、バランスト・スコアカードを活用した際のミッションを具体的な成果に変換していく際のイメージを表しています。まず、起点になってくるのは、経営者が掲げる企業のミッション、コア・バリュー、ビジョンです。ミッションとコア・バリューは時間がたっても変化しない企業の存在意義のようなものです。そして、ビジョンは企業が目指すべき方向性を示すものです。このビジョンを現実のものとするために、刻々と変化する外部環境や内部環境を踏まえて戦略を立案していきます。

次に、戦略をどのように実行していくかというときにバランスト・スコアカードが有効となってきます。バランスト・スコアカードは、何をするべきかという「焦点」を明確にして、リソースを集中させて「実行」していくためのフレームワークです。戦略を戦略マップに落とし込み、「財務」、「顧客」、「内部プロセス」、「学習と成長」等の視点で戦略目標を明確にしていきます。「財務」、「顧客」といった有形の項目だけでなく、「内部プロセス」、「学習と成長」といったそれまでの財務測定では捉えることが難しかった無形の項目についても可視化することで、企業としてやるべき事、即ち「焦点」を明確にします。
更に、各視点で明確になった戦略目標を各部門の戦略的実施項目や個人目標にまで落とし込むことで適切な「実行」を促していくことができるとしています。

結果、戦略の成果として、「効果的なプロセス」や「動機づけられて教育を受けた従業員」に支えられた「株主満足」や「顧客満足」を得られることを目指しています。

このように、バランスト・スコアカードは、ミッション・ビジョンに沿って立案された戦略をより具体化し企業が実施するべき「焦点」を明確にします。その上で、「実行」を担保するために、各部門の戦略的実施項目や個人目標にまで戦略を落とし込んでいくためのフレームワークであると言えます。

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[出典]
ロバート・S・キャプラン、デビッド・P・ノートン(著), 櫻井 通晴(監訳). (2001). 戦略バランスト・スコアカード. 東洋経済. P104.