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バランスト・スコアカード(戦略マップ)

■戦略マップとは?
バランスト・スコアカードにおける戦略マップとは、「財務の視点」を起点として、「顧客の視点」、「内部の視点」、「成長と学習の視点」を並列に配置して、戦略項目を記述したものです。下記イメージは簡易なものですが、各視点における戦略項目と各戦略項目のつながりを可視化したものとなります。

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■戦略マップの効能
各視点の戦略項目とその繋がりを戦略マップに記述することによるメリットとして、以下の3点があげられると考えます。

①全体観の把握
「木を見て森を見ず」という言葉があります。これは、物事の細部や一部にとらわれて全体観を把握していないことを指します。戦略や戦略目標を検討する際に一つ一つの目標が尤もらしく思えても、企業全体の価値向上にどのように貢献するのかが見えていない場合、戦略実行をすることに意味がなくなってしまいます。これは、まさに「木を見て森を見ず」の状態であると言えると思います。戦略マップは、文字だけでなく、1枚に絵に各視点の戦略項目を記述することにより、全体観を把握することが可能となります。このことにより、全体の企業価値に貢献するために必要となる戦略目標を効果的に検討して、立案していくことが可能となります。

②各視点の繋がりの明確化
全体観を把握することと相通じる部分ではありますが、戦略マップを作成することで単発的な戦略目標となることを避け、各施策が有機的に連携するように促すことができるようになります。これは、「財務の視点」を達成するために「顧客の視点」があり、「顧客の視点」を達成するために「内部の視点」があり、これらの要素を支えるために「成長と学習の視点」があるというように構造化して記述していくことができるためです。

③関係者へ説明・共有の容易さ
また、バランスト・スコアカードは、トップマネジメントだけでなく、末端の従業員まで内容を理解して実際の活動に落とし込んでいくことが必要となります。その時に大元となる全社戦略が戦略マップに可視化されていることで、周知・説明も容易になることが期待できます。

このように、単発的に戦略目標を列挙するだけでなく、戦略マップへ落とし込むことによって、戦略の全体観を把握し、各視点の繋がりを明確化し、周知・説明が容易になることが期待できます。

[参考文献]
ロバート・S・キャプラン、デビッド・P・ノートン(著), 櫻井 通晴(監訳). (2001). 戦略バランスト・スコアカード. 東洋経済.