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組織構造を定義する六つの要素(概要)

■組織構造を定義する六つの要素とは?
組織構造を決定していく際、もしくは検討する際に影響を及ぼす6つの要素として、①専門性、②部門化、③指揮命令系統、④管理範囲、⑤中央集権および分散化、⑥公式化があげられます。詳細内容は各々のページで説明をしておりますが、ここでは各要素の概要について説明をしていきたいと思います。

①専門化
組織における専門化とは職位を細かく規定をしてき、職位単位で一人一人が行うべき職務を特定化することで、専門性を高めていくことです。製造業務のライン作業等が専門化の典型的な例で、従業員は組立作業の一部のみを割り当てられ、専門的にその作業をこなしていきます。このように組織の専門化を進めることで、各々の作業の専門性を高めることで生産性を高めることを目指していきます。

②部門化
組織は部門化することにより、共通化できるタスクを纏めることが出来るようになり、効率的な運営が可能となります。例えば、製造部門であれば、汎用的な部品については部門共有で製造・調達するなどして効率化がはかれるかもしれません。部門化には、「職務分化(専門化)」、 「地域」、「顧客分類」という3つの切り口が考えられます。

③指揮命令系統
指揮命令系統とは、経営者から末端の従業員までの組織階層の中で、誰が誰に報告をすべきなのかを明確するものです。例えば、担当者が個人で判断できないような問題を起こした場合には、課長に報告し判断を仰ぐ、課長では判断できないようなケースは部長に・・・というように指揮命令系統をはっきりさせていくことは、報告先と誰に対して責任を負っているのかを定義づけることと言えます。

④管理範囲
管理範囲とは、1人で何人の部下を管理するのかを明確にすることです。1人のマネージャーが管理する従業員数が多ければ多いほどよりフラットな組織ということができます。一方で、1人のマネージャーが管理する従業員数が少なければ少ないほど、組織の階層の多くなります。極端な例では、社長1人で全ての従業員を管理している場合は究極のフラットな組織と言えます。

⑤中央集権および分散化
組織を中央集権化するのか分散化するのかを決定することです。中央集権化された組織とは、経営者が大部分の意志決定を行っていくトップダウン型の組織です。一方で、分散化されている場合には、現場レベルのマネージャーが意思決定する度合いが高くなっていきます。

⑥公式化
公式化とは、業務内容を比較的に細かく定義し標準化していくことを指します。公式化された組織においては、従業員個人が業務において判断・意思決定していく割合が小さく、規定された職務を決まったやり方でこなしてく度合いが高いといえます。

このように、組織構造を決定していく際には、企業理念・戦略・目標を現実化するために、これらの6つの要素をどのように定義づけていくかが必要となってきます。

[参考文献]
スティーブン P. ロビンス (著), 高木 晴夫(訳) (2009). 組織行動のマネジメント. ダイヤモンド社.