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コッター教授の組織変革のための8つのプロセス(④変革のためのビジョンを周知徹底する)

■変革のためのビジョンを周知徹底する
組織変革のための8つのプロセスの四つ目である「④変革のためのビジョンを周知徹底する」について考えてみたいと思います。

①危機意識を高める
②変革推進のための連帯チームを築く
③ビジョンと戦略を生み出す
④変革のためのビジョンを周知徹底する
⑤従業員の自発を促す
⑥短期的成果を実現する
⑦成果を生かして、さらなる変革を推進する
⑧新しい方法を企業文化に定着させる

■なぜ、「④変革のためのビジョンを周知徹底する」ことが必要なのか?
経営者、及び変革推進のためのチームがビジョンを作成、共有した後に社員や関係者に向けたビジョンの周知徹底が必要になります。組織変革は、経営者や変革推進のチームだけでなく、部門全体や会社全体の社員に影響を及ぼします。時には、業務プロセスの大幅な変更やりストラクチャーが必要になることもあります。その時に、組織変革の必要性、及び目指している将来の姿であるビジョンを一人一人が理解していないと抵抗感が必要以上に大きくなります。そのため、ビジョンの周知徹底が必要となります。
また、個人個人がビジョンを理解して共感を得ることで初めて、全社一体となった組織変革が初めて可能となりますし、変革に向けた社員の自発的な活動という好ましい状態を引き出すための下地になります。
描いたビジョンを掲げただけでは、社内に浸透はしませんので、能動的にビジョンを周知していく必要があります。

■どのように、「④変革のためのビジョンを周知徹底する」のか?
ビジョンの周知徹底に特別な方法はなく、繰り返しのコミュニケーションが遠回りに思えて有効な方法かと思います。また当然ではありますが、メールよりも電話、電話よりも対面のコミュニケーションが望ましいといえます。つまり、ミーティングを開催して説明をすることや事あるごとに繰り返し伝達することが必要となってきます。
また、人に伝達するためには、簡潔な表現であることが好ましいです。長い文章や表現は多くの人に受け入れらにくいためです。同時に平易な言葉を使うことも重要となります。つまり、受け取り手側の理解・共感し易い表現や言葉で伝えていくことが必要となります。更に経営者、リーダーの言行一致や率先垂範というようなプリミティブな原則が求められます。

[参考文献]
ジョン・P. コッター(著), 梅津 祐良 (翻訳) (2002). 企業変革力. 日経PB社, P143-170.